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一転、天国から地獄である。
小一時間前、ファミレスで今日子たちと楽しい時間を過ごしてたのに、今は家で正座です。はい。それも二日連続です。
詳しく説明すると、俺がファミレスで楽しいひと時を過ごして家に戻り玄関のドアを開けるとエプロン姿の凛子先輩が腕組みして立っていて今日はその場で正座です。
「どうして帰って来るのがこんなに遅かったの?」
「凛先輩に連れてかれた俺を待っていてくれた友達とファミレスに寄ってたんだよ」
「そうならそうとメールで連絡してくれれば良かったのに!」
「あ、そうだね。ごめん。今度からそうするよ」
最近は一人暮らしが多かったから誰かが家で待っているっていう感覚がすっかり欠如していた。
「それで、楽しかった?」
「うん」
「どうして私も誘ってくれ無かったの?」
「はい?」
凛先輩の俺が遅く帰って来たっていう怒りから、自分が誘ってもらえ無かったっていうことでむくれているのに変わってしまっていた。
凛先輩が頬を膨らませてむくれている姿は可愛らしくて面白いので
「分かった。今度行くときは必ず誘うから」
俺は少し笑いながら謝ると凛先輩は顔を赤らめながら
「分かればいいのよ。分かれば」
そう言って、咳ばらい一つして俺に聞いてきた。
「ところで、徹くんはファミレスで夕飯すませて来たの?」
「いや、まだだよ。凛先輩が何か作ってくれると思ってファミレスではコーヒーだけにした」
「そう。よかったわ。今日の夕飯はハンバーグを作ってみたの」
そう言いながらリビングの方へ歩いていく凛先輩。俺も立ち上がり凛先輩のあとに付いて行こうと前を見て衝撃を受けた。
「な、な、な、な、何やってるんですか!」
凛先輩の後ろ姿は長く艶やかな腰まで延びる髪から白く綺麗な肌の背中が時折見え、エプロンの紐が結ばれている腰は滑らかな曲線を描き、小ぶりなお尻は若々しい桃のように引き締まっている。
「どうかしたのかしら?」
凛先輩は体を半身にして振り返る。そのことが逆にエプロンと体のすき間を作ることになり色々見えそうで目のやり場に困る。
「どうしたじゃない! 何で裸にエプロンなんだよ!」
「何か変かしら?」
「いや! 変て言うレベルの話じゃなくて、異常な事態だよ!」
「そう? でもブログで裸にエプロンは男の人が喜ぶ定番だって書いてあったわよ」
「それいったいどこのブログだよ!」
「ここだけど……」
凛先輩は手に持ったスマホでサイトを開いて俺に見せてくる。
「えーと、真の美しさを求める女子会ってタイトルのブログか……」
真の美しさ……まさか……? 俺はそのブログのタイトルに嫌な予感がした。
「ほら、ここにブログを書いている人の写真が貼ってあるの。可愛い女の子でしょう?」
凛先輩はうれしそうにブログに貼られている写真を俺に見せてくる。
俺はその写真を見て深くため息をついた。




