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(・・・・・・・生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・徒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岡・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不・・・・・)
(・正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・を・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暴・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
続けて読んでみると"生徒会長岡田の不正を暴け"って
「何だこれ!」
静寂の中、俺の呟いた一言が生徒会室に響きわたり、 生徒会室のみんなの視線が俺に集まる。
「どうかしたのですか? 羽多野君?」
岡田生徒会長がにこやかな笑顔を浮かべて聞いてきた。
俺はふたたびパソコンの画面を見てみると、点滅していた文字は無く普通の入力画面に戻っていた。
さっきのは何だったんだ?
しかし、内容が内容だけに迂闊に話す訳にはいかないよな。俺はそう思いこの場はごまかす事にした。
「すいません。少し目が疲れてきたみたいです」
「慣れない仕事をさせたせいかな。白石くん、今日のところはこれくらいにしてあげたらどうですか?」
「そうですね」
岡田生徒会長の言葉を受けて凛先輩は俺に向き直り
「徹くん、今日はこれで帰っていいわ。明日もまたお願いね」
笑顔を見せたのだが、この言葉の最初の"徹くん"っていう部分が生徒会室にいた生徒たちに衝撃を与えるには十分な事だったらしく静かな生徒会室がたちまちざわめきにつつまれた。中でも岡田生徒会長の顔は口はにこやかなのだが目に強烈な怒りが感じられた。
「すいません。お先に失礼します」
いたたまれなくなった俺は挨拶をして速攻で生徒会室を出た。
だから羽多野くんって呼んで欲しいって言ったのに……俺は自分のクラスに向かいながらさっきの光景を思い出していた。
生徒会役員の人達は凛先輩が俺の事を徹くんって呼んだ事をどう思ったんだろうか? 何より凛先輩と付き合っているって言われてる生徒会長の岡田先輩はどう思っただろうか?
怒っているんだろうな。そりゃ自分の付き合っている女の子が自分の知らない男の子の事を名前で呼んでたらいい気はしないもんな。
しかし、あれは何だったんだろうか?
俺はノートパソコンの画面の中で点滅していた文字を思い出していた。
"生徒会長岡田の不正を暴け"
いったいどういうことなのだろう?生徒会長が不正をしているって事なのか?
それより何より、どうして俺のノートパソコンにあんな画面が映し出されたんだ?
わからない事だらけで腕を組んで首をひねりながら廊下を歩いていた俺に正面から重量感のあるものが飛びついてきた。
「うわっ!」
今日子が正面から俺に抱きついてきたのだ。
「ちょ、ちょっと、今日子……」
今日子は俺の首に手を巻きつけて完全に密着した状態になっている。おかげで前に組んだ俺の手に柔らかい二つの双丘が押し付けられてるし顔は息がかかるくらいに近いしでなんともいえない気持ちよさといたたまれなさが同居している。
「今日子ちゃんは徹の事すごく心配していたんだぜ」
声のする方に目をやるとにっこり笑っている昌がいて、その隣にこくこくと顔を上下させてうなづいている真美ちゃんがいた。
教室を見渡すと他に生徒は無く三人が俺の事を心配して残ってくれたのが分かった。
俺は今日子をやんわりと離す。
「ありがとうな。待っててくれて」
「ばか!」
今日子は顔を真っ赤にしてうつむきながら小声で言った。
「ちょっと生徒会の仕事を手伝ってて言われてさ……」
「ばか!」
今度は俺の顔を涙目で見て怒る。
「えっと……」
困った俺は昌を見て助けを求める。
「ったく、しょうがねえな。ファミレスで話し聞かせてもらうからな徹!もちろんお前のおごりでな!」
「了解」
「で、いいよな。今日子ちゃん」
「うん」
ようやく機嫌を直した今日子を見てほっとしてみんな自分の机に戻って帰り支度を始めた。
俺は前の席で帰り支度をしている昌に他の二人に聞こえ無いように言った。
「ありがとう」
「今日子ちゃんにあんまり心配かけるなよな」
「うん。でも別に何か悪いことをして呼ばれたんじゃ無いんだぜ」
「いや、そういう意味じゃなくて、白石先輩と一緒に行ったって事がさ…………ん? ……まあいいか、お前に言ってもわかんないだろうしな」
「なんだよ、それ」
物知り顔で話す昌に少しムッとした俺だがこれだけは言っておかなきゃならなかった。
「昌も真美ちゃんも待っててくれたんだろ。ありがとう」
「まあな」
昌は少し照れたそぶりをしていたがすぐに真顔になって教室の前の入り口に目をやった。
「でも、待っていたのは俺たちだけじゃないんだよな」
俺も昌の見ている方に目をやるとそこにはさっきまでいなかったはずの徳井が教室から出て行くところだった。
「徳井のやつ、さっきから教室を出たり入ったりしてたんだ。当然お前を待ってたわけじゃないだろうけどな」
「狙いは今日子か?」
「だろうな」
俺は今日子の方を見た。真美ちゃんとにこやかに話しながら帰り支度をしている。俺が見ているのに気づいた今日子は顔を赤らめながら少し怒ったような声で言った。
「何よ……」
「いや……なんにも……」
「さっさと帰るわよ! 徹!」
今日子は徳井のことを気にかけている様子も無く。俺は幼なじみとして、もし今日子に何かあったらすぐに駆けつけて守ってやると心に決めた。
空が茜色に染まり、窓から入る陽の光が机や椅子の影を壁あたりまで延ばしている教室を俺たちは後にした。




