村長と安田さん
桜が咲き誇る季節がこの村に訪れた。
子供たちが桜の下で遊んでいる。
「今年も…この景色がみれるとは…ううっ…!グスッ…ああ、涙でPONPONうぇいうぇいとつけまつげがとれてしまうっ!つけまつけなくては!」
ダム建設反対の闘いにおいて御神体の巨大男根をふりまわしビーバーの前歯を全てへし折るなど、主戦力になっていた教師の安田さん(55)はひたすら泣いた。
村を守れた誇らしさ、子供達にまた桜を見せてやれたという安堵の気持ち、そして最近趣味ではじめた女装の際につけたつけまつげがとれてもともとあった数少ないまつげが全部とれてしまったという現実。それらがすべて混ざり合い安田さんを感情の渦へ巻き込んでいく。
「オーシットッ!!!!!!またまつげがぬけてないてるのか!?この豚の尻め!家にかえってママのおっぱいでものんでな!」
「村長!!!!!」
泣いていた安田さんが顔をあげるとそこには村長(38)が立っていた。
村長といえばダム建設反対の闘いにおいて川に浮いてるよくわからない緑色の藻を奇声を発し投げ続けながらも懸命に闘い続けしかも一番弱そうなビーバーの子供を人質にとり金銭を要求しビーバー達の金をすべてまきあげた揚句人質をいたぶって殺したという功績がある村を救ったヒーローだ。
「すすすすいませんっ!村長にお見苦しいところをお見せして…グスッ…」
「…はぁ~、全然泣きやんでないじゃないか。このくそったれ!」
「…ごめっ…ひくっ…ごめんなさい・・・・・」
「別に謝れとは言ってないだろ…。まぁ、お前のことなんてどうでもいいけどよ、ここで泣かれたら目障りなんだよ。これやるから泣きやめよ///」
頬を染め顔をそむけながらつっけんどんにさしだされた手には指輪がのっていた。
安田はそれをおそるおそる受け取る。
「そ…村長・・・、あの、これ…///」
「っ…!それ大事にしないとマジファッキンだぜ?///」
「あっ…まって!村長!!」
村長は愛車の改造して時速100キロでる自転車にまたがると颯爽と川に帰ってしまった。
安田は手に残った指輪をそっと薬指にはめてみる。その指輪はどうやら川に浮いてるよくわからない緑色の藻でできているようで安田の指にぴったりとはまった。
「村長・・・!」
愛する人の名をそっと呟く。その言葉は桜舞い散る4月の空にとけて消えた。
つづく…
~次回予告~
「おい、村長。お前に安田さん(56)はわたさない!」
「ふん!お前はまるでそびえたつクソだな 。銃なんか捨ててかかって来いよ! 」
村長の前に現れた男は安田さん(56)の部下で現在安田さんに片思い中のホセ・ブレイキー(23)。
突然現れた思いがけぬ強敵に村長はどうするのか?
次回「川に浮いてるよくわからない緑色の藻に負けたホセの解体ショー」
お楽しみにね!
続かないよ