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Lorelei  作者: 流羽
お出掛け
8/8

happening

「あーっ!10分おくれ!どーすんだよ」

「自分のせいだろ押し付けんな裕輔。」

今、二人は、待ち合わせの駅前から500mほど離れた場所を、全力で走っていた。

10分遅れた成り行きはこうだ。

朝、十分すぎる時間に起きたくせに、裕輔が服を、紳士風かパンク風にするかでさんざん迷い、紳士風にすると、ダサい格好でいくなと裕聖がパンク風を着せられた結果、遅刻したのだ。

しかし、汗だくで走っていても絵になる男は絵になる。二人は、みちゆく女たちからかなりめだっていた。

「…あ、発見!」

人混みに、長い黒髪を見つけた。鈴音だ。

彼女を見つけたとたん、裕聖の頭に言葉が浮かんだ。

【雑草の中の白き花…】

まさに、それに等しかった。人混みに紛れながらも際立つこの存在感。

(やっぱり、天性のなにかがあるんだな)

真っ白なマンガみたいな清楚ワンピースを着こなして、鈴音は、凛とそこにいた。

「…おそかったね」

「すいません!何せ服に迷ったもので…」

すると、鈴音は、じっと裕聖を見つめ始めた。

「…?えっ…と…?」

言葉に詰まる裕聖。

「かっこいいな、その格好」

裕輔が愕然としている。

「裕輔君みたいなのは見慣れてるんやけど、裕聖君みたいなのは見たことない。自由で、とがってて、強い感じ」

………なんだろう。突っ込みどころが多すぎてわからない。

はじめてダメージジーンズをみたのか。とがってるはわかるが自由がわからない。アーティストは違うのだなあ。自分もだが。

「…裕輔君も年齢のわりには似合うな」

「あ、ありがとうございます!」

「よかったな、辛うじてフォローもらえて」

ゴスッ ヒョイ

「ふん、昨日みたくいくとおもうな」

「なぬ!?やるかー」

「なあ。」

鈴音が遮った。

「電車もう出るで。」

「「あ」」


また、全力で走ったのは言うまでもない。

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