00:プロローグ
久々連載のベタ系です。ご賞味下さい(笑)
「あづぃ・・・」
季節は初秋を迎えたというのに、まだ残暑の厳しい九月の始め。
扇風機にへばり付きながら“暑い”を連発する青年が、この物語の主人公である。
青年の名は、月島廉。現在17歳の、高校2年生である。身体的特徴は、他の高校生となんら変わらず、学業成績も中の上もしくは上の下。唯一の特徴を挙げるならば、少し(?)だけ顔立ちが女性っぽかった。
その顔のおかげ(?)で、他の男子学生よりは女の子の友達が多いものの、友達以上に進展する事は無く、未だ年齢=彼女いない歴でもあった。
実家暮らしの彼だが、母親は幼い頃に病気で他界し、父親は貿易商という職業柄、世界各地を飛び回っている為に、帰って来るのも数年に一度。最後に会ったのは、彼が中学を卒業した時だった。
そして唯一、彼の保護者代わりだった四つ歳の離れた姉も、専門学校卒業後に家を出た。現在は市街地から少し離れた場所で、祖父母の経営していた喫茶店のマスターとして、後を継ぎ頑張っている。
余談ではあるが、彼の祖父母は現役を引退し、現在はワゴン車一台の日本一周旅行の最中である。
話は逸れたが、それ故に彼は実家でひとり暮し中なのである。
「あ〜づ〜い〜」
本日何度目の“暑い”発言か。扇風機の前で微動だにしない彼の耳に、
ピーンポーン
インターホンの呼び出し音が届いた。
「はいはい〜」
けだる気に玄関に向かう彼。扉を開けた先には、見馴れた姉の姿と、見知らぬ女性が立っていた。
結構前に考えた作品ですが、何となく不安要素がいっぱい・・・。
不定期更新ですが、必ず完結させるので、温かい気持ちで見守って下さい!