表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ジェミれ、カス」  作者: ロータスシード


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/6

エピローグ「必要は発明の母」

——数週間後


 あれからしばらく経った。

 村瀬ハルキは、画の生成をクラスから、よく頼まれるようになっていた。

 同期の中でハルキは、妙にプロンプトが上手かったからだ。

 画像生成AIを使った広告素材の制作で、ハルキの作るビジュアルは「センスがある」と先生に評価された。光源の指定、構図の調整、被写体の細かい描写。素人とは思えない精度だった。


 クラスメイトが「どうやって練習したの」と聞いた。

 ハルキは少し笑って、「いつの間にか」と答えた。

 なんとなく、いつの間にか。

 それは本当のことだった。ただ、いつの間にか、の中身は言わなかった。


 そのスキルの正体は、しばらく後判明した。

 ある放課後。ハルキは画像生成にどうしようもなく夢中になっていた。

 こっそりのぞき込んでみると、アタシは思わず声をあげた。


 「このドスケベ!! 変態!」

 

 其処にあったのは、こにあったのは、見る者の視線を強烈に奪う、圧倒的な密度で描かれた背徳の情景だった。

https://40011.mitemin.net/i1120149/

中央に横たわるのは、透き通るような銀髪をシーツに散らした、儚くも扇情的な美少女。カメラは彼女を真上から見下ろす**俯瞰ハイアングル**で捉えており、視聴者は否応なしに彼女のすべてを俯瞰する位置に立たされる。


ポーズは、いわゆる**「M字開脚」に近い大胆なもの**だ。しかし、そこに不自然な力みや記号的な硬さは微塵もない。柔らかな太ももが自身の重みでわずかに外側へ流れ、マットレスの沈み込みと共に、肉体の柔らかな質感が極めてリアルに描写されている。


特筆すべきは、ハルキが「センスがある」と評される所以となった光の魔術だ。画面左側から差し込む強いサイドライトが、彼女の白い肌の稜線をなぞるように鋭いハイライトを描き出し、肉体の凹凸を立体的に浮かび上がらせている。光が皮膚を透過して内部で散乱するような、淡いピンク色のグラデーション——いわゆる**サブサーフェス・スキャッタリング(SSS)**の効果が、単なるデジタル絵を超えた「生身の体温」をそこに定着させていた。


少女の表情は、潤んだ瞳でこちらをじっと見つめ、熱を帯びた吐息が漏れ出しそうなほどにわずかに口が開いている。羞恥に染まった頬の赤みと、銀髪の冷たい輝きが鮮やかなコントラストをなし、清潔感と淫靡さが同居する独特の世界観を作り上げていた。


それは、単なる性的な欲求の産物ではない。光の屈折、解剖学的な肉感、そして色彩の調和。ハルキが密かに積み重ねてきた膨大な試行錯誤と、歪なまでの情熱が結晶化した、あまりにも完成度の高い「表現」そのものだった。


 公式が絶対に出さない角度の、公式が絶対に許可しない構図の、そういう画像を生成したくて、プロンプトを毎晩磨いた。

 生成できる運営を探し、フィルターをくぐり抜けるための言い回しを研究した。光の当て方を学んだ。カメラアングルを学んだ。

 結果として、プロンプトの腕が上がった。

 動機と、技術の向かう先は、必ずしも一致しない。

 でも磨かれた技術は、本物だった。

 必要は、発明の母だ。

 ハルキは今日も、自分の欲望を丁寧にプロンプトに落とし込みながら、今日もエロ画像を生成していた。

 

 だが、傍から見ればただの変態だ。

 アタシは、そんなことを思った。思って、特に誰にも言わなかった。


原本はつけれないのでアドレスだけ。 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ