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『ドラゴンテイマー』 ~追放された不遇職持ちである僕は、婚約者だった公爵令嬢と共に、何とか生き抜いていく~  作者: 保志真佐


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16呪導師




 『呪導師』が良い【ジョブ】と言う黒竜の発言に、僕は驚愕する。


 「どうしました、リック?」

 「う、うん…黒竜が言うのは、『呪導師』は良い【ジョブ】なんだって」

 「え?」


 レーナも驚く。

 これが普通の反応だろう。


 『何だ、『呪導師』は良い【ジョブ】では無いのか?』


 僕とレーナの反応に、黒竜が訝し気な顔を見せる。

 と言っても、ドラゴンの表情変化は分かりにくいが。


 「はい。『呪導師』と言うのは………」


 ここで、僕は説明する。

 『呪導師』の仕様を。


 『呪導師』は名前の通り、呪術を持って、敵にデバフを掛ける【ジョブ】である


 デバフとは、毒や麻痺、睡眠、目潰しなどと言った状態異常を引き起こすものだ。

 回復や浄化、肉体強化などと言ったバフの反対。


 『呪導師』は、デバフを掛ける後衛職ということだ。


 敵に状態異常を引き起こすと聞いて、強そうだと思うが、この『呪導師』の【ジョブ】には致命的な欠点がある。


 まず、射程だ。

 『呪導師』は自身の身体から状態異常を引き起こす闇の様なものを出せるのだが、その闇は体から離れる際の持続力が兎に角低い。


 大体、闇が体から1メートル離れると直ぐに消える。

 つまり、闇の射程が1メートルであり、デバフを掛けられる範囲が1メートルしかないと言う訳だ。


 次に、速さだ。

 闇が飛ぶ速度は、人が歩く速度よりも遅い。


 こんなの訓練していない一般人だって躱せる。

 態々当たりに行こうとする人以外当たらない。


 後衛職なのに、魔法の射程が1メートルで、魔法の速度が歩く人以下。

 正気の沙汰ではない。


 範囲1メートルで敵にデバフを掛けるまでに、やられてしまう。


 そして、何よりも致命的な欠点は、デバフの効果と持続時間である。

 仮に、デバフを引き起こす闇を敵に当てられても、その後が意味を成さないのだ。


 例えば、毒状態を引き起こす闇を当てたとする。


 その相手は当然、毒状態になる。

 だが、問題はここからであり、敵が毒状態になっても、そこまで弱らないことだ。


 毒と言うと、戦闘継続が困難である状態を想像するが、『呪導師』の毒が相手に与える影響は、精々体調が少し悪くなった程度。


 解毒剤などを飲まれれば、即時回復される。

 効果が単純に少ないのだ。


 しかも、その毒状態も継続時間が短く、数分しか持たない。


 効果が低いうえに、デバフの継続が数分しか持たない。

 これが弱いと言わずに何とする。


 『呪導師』が、『ドラゴンテイマー』と同じ不遇職と呼ばれるのは必然だ。


 そんな『呪導師』を黒竜は良い【ジョブ】と言った。

 どういう事だ?


 僕の『呪導師』の説明を聞いた黒竜は、首を傾げる反応を見せる。


 『何だ、その変わった使い方は?』

 「変わった使い方?」

 『そうだ。何故『呪導師』の使う闇を”遠距離で”使う?あれは近距離の攻撃と一緒に使うものだぞ』

 「へ?」


 黒竜の指摘に、僕は付いていけなかった。

 『呪導師』はデバフ職であり、闇を遠距離から飛ばすのが常識と言う認識だった。


 それが近距離。


 『さっきも言ったが、我は人に興味があった。それは人だけが持つ【ジョブ】も同様。数百年前の『呪導師』は、状態異常を引き起こす闇を素手や武器による攻撃と一緒に使っていた。闇による近接攻撃を何度も敵に当てて、闇の重ね掛けで強力な状態異常を引き起こす。これが『呪導師』の戦い方。つまり、近接戦専用の【ジョブ】ということだ』

 「そ、そんな使い方が?!」


 僕は驚きつつも、ある意味納得してしまった。


 確かに、僕が知っている『呪導師』の仕様なら、近接戦と相性が良い。


 近接戦は遠距離の攻撃と違って、何度も相手に攻撃を仕掛ける。

 もし、その攻撃にデバフが乗っていれば、相手は近接戦闘中に、何度か軽い状態異常に掛かることになる。


 相手からしたら、溜まったものでは無い。


 まだ本当に、そうなのか分からないが、数百年前の『呪導師』を見ている黒竜が言っているのだ。

 間違いないだろう。


 「でも、何で今の『呪導師』は、そんな使い方をしないのでしょう?」

 『ふむ…恐らく、魔人との戦争が終わり、戦闘の機会が減り、いつしか廃れたのだろう』


 なるほど。

 今、黒竜から聞いた『呪導師』の戦い方は、聞いたところ非常に強力だ。


 特に、半魔人であるレーナの格闘術と混ざれば、鬼に金棒では無いか。


 僕は黒竜との会話をレーナに伝える。


 「『呪導師』は近接戦専用の【ジョブ】?それは知りませんでした。てっきり、後衛用の【ジョブ】かと。しかし………近接戦ですか。確かに、私と相性の良い【ジョブ】かもしれません」


 そう言って、レーナは拳を固め、軽い素振りをする。




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