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『ドラゴンテイマー』 ~追放された不遇職持ちである僕は、婚約者だった公爵令嬢と共に、何とか生き抜いていく~  作者: 保志真佐


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12/25

12炎




 バキ…バキ…バキ…。

 僕が後ろを見ると、アースドラゴンは僕とレーナを追って、木々を薙ぎ倒しながら向かっている。


 幸いにも、漆黒の森は全方位が大きな樹木で生い茂っているので、それが障害になってアースドラゴンは思うように進めずにいた。


 シュン!

 大きな風切り音が後ろから聞こえてくる。


 「リック!」


 レーナが急いで、僕を屈ませる。

 さっきまで僕の上半身があった場所を通り過ぎたのは、大きな岩だった。


 アースドラゴンも馬鹿ではない。

 まともに、追いつこうと思っても追いつけない。


 だから、魔法を撃って僕達を仕留めようとしているのだ。


 そこから岩の乱れ打ちが始まったが、レーナのお陰で何とか回避できている。

 途中すれ違った魔物は、アースドラゴンの岩によって、押しつぶされるに至る。


 「こうなったら、〈調伏〉!」

 「え?それは……」


 僕は苦し紛れに、自身の【ジョブ】のスキルである〈調伏〉を発動する。

 レーナが目を点にさせるが、当然の反応だ。


 僕の【ジョブ】は『ドラゴンテイマー』は知っての通り。


 テイマーとは、何かを調伏して従魔にする【ジョブ】。

 そのため、テイマー系の【ジョブ】に着くと必ず、〈調伏〉と呼ばれるスキルが行使可能だ。


 この〈調伏〉によって、成功されれば、魔物などをテイムし、自身の仲間にする。


 だが、勿論、〈調伏〉は無条件で成功する訳では無い。

 基本的に、〈調伏〉を発動したテイマーと、〈調伏〉対象である魔物との力量差が小さいことが条件だ。


 本来なら、普通のテイマーはスライムやゴブリンなどの弱い魔物を〈調伏〉によってテイムしていき、力を付け、さらに強い魔物を〈調伏〉していくという流れだ。


 間違っても、初手でドラゴン相手に使うものでは無い。


 パリン!

 案の定、〈調伏〉のスキルは速攻で無効となった。


 うん、分かってた。


 因みにだが、この〈調伏〉はテイマーと、テイムする魔物の一対一での力量差が小さいことが条件である。


 最も、分かりやすく言うと、誰かがテイマーの代わりに、テイムする魔物と戦い弱らせる。

 その弱らせた魔物に対して、〈調伏〉を行っても、無効になる。


 弱らせたことで、力量差が小さくなったとしても、〈調伏〉においては第三者の介入は駄目なのだ。


 だからこそ、〈調伏〉は一人でやらないと意味が無い。

 アースドラゴンに追われていると言う焦りから、つい…冷静な判断を誤ってしまった。


 その後も、魔法による岩の攻撃が飛んで来る。

 それを何とか躱しながら、森の奥へと走る。


 「グル」


 暫くして、アースドラゴンがいきなり止まる。


 追ってくる様子が無い。

 まさか、諦めてくれたのかな?


 そんな僕の淡い期待は、次の瞬間破られる。


 グラララララ………。

 突如、地面が揺れ始める。


 揺れているのは、地面全体ではなく、僕とレーナがいる地面だ。


 「わわわ?!」

 「こ、これは地面が揺れています?!」


 僕とレーナはバランスを保とうと、踏ん張る。

 でも、バランス力の無い僕は、踏ん張りがきかず、地面に転げ落ちる。


 その時、地面が揺れるだけでなく、割れ始める。

 アースドラゴンの足元の地面に入った亀裂は、見る見るうちに、広がり、僕とレーナの元に到達しようとしていた。


 なるほど、アースドラゴンは岩を作り出せるだけでなく、地面を操作して、地割れを引き起こすのか。


 このままだと、僕が地面に沈み込まれる。

 レーナが手を伸ばすが、既に僕は地面に半端落ちかけていた。


 その時。

 ゴオオオオオオオオオ!!!


 凄まじい熱気が僕の頬を撫でる。

 視界が赤に染まる。


 熱気と共に来た衝撃波で、僕とレーナが割れた地面から吹っ飛ぶ。


 「グルアアアアア?!」


 続いて、聞こえるアースドラゴンの悲鳴。

 何と、アースドラゴンの足元から巨大な炎が上に向かって吹いていたのだ。


 炎は、飛んでも無い火力で、離れているのに、僕の額に汗が噴き出す。


 突然の炎の強襲を受けたアースドラゴンは、悲鳴を上げたまま、焼き尽くされる。

 レーナの攻撃にビクともしなかったアースドラゴンが焼き尽くされる現場に、僕とレーナは目を見開くことしか出来なかった。




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