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追放された不遇職である『ドラゴンテイマー』の僕は、婚約者だった公爵令嬢と共に生き抜いていく  作者: 保志真佐


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11/11

11苦戦




 アースドラゴン…それは、最強種であるドラゴンの一種である。


 僕の兄であるペルシャが乗る騎竜は、スカイドラゴンと言い、飛行特化のドラゴンだ。

 これに対し、アースドラゴンは言ってみれば、地上特化のドラゴンである。


 アースドラゴンは翼を持たなく、空を飛べない。


 その代わりに、他のドラゴンに比べて、体の重量は大きく、体中を固い鱗で覆われており、並みの剣どころか、一流の鍛冶師が作成した剣すら弾くほどの強度を持っている。


 動き自体は遅いが、なにぶんアースドラゴンの耐久力は非常に高いので、歩く姿だけでも動く要塞である。


 「………………これは、不味いですね」


 先程、オーガ三体を呆気なく倒したレーナが、アースドラゴンを見て、冷や汗を浮かべる。


 顔色を青白い物にして、それでも構えを取る。

 それほど、レーナにとっても、アースドラゴンは脅威であるのだ。


 ここは、「漆黒の森」。

 アーカイブ領の最西に広がる未開の土地だ。


 強力な魔物が徘徊する漆黒の森では、最強種であるドラゴンに遭遇するのは、珍しい事では無いはずだ。

 なので、ドラゴンに遭遇するだろうことは、僕でも予想していた。


 それでも、実際に目の前に現れたのを見ると、恐怖が込み上げてくる。


 圧倒的生物としての格を感じるのだ。

 蟻と像の差と、同等の格差を。


 「ガガガガアアア!!」


 僕とレーナを視認したアースドラゴンは、またしても天に届きそうな程の唸り声を上げる。


 物理的な圧力となって、僕の耳を撃つ。

 凄い迫力だ。


 『~~~~~~~』


 その時、僕の耳に聞きなれない音が入る。


 それは何かの言葉のように聞こえる。

 これと似たような音声を少し前に聞いたことがある。


 あれは兄のペルシャの騎竜スカイドラゴンのスピアが飛び立つ時だったか。


 あの時も、妙な声が響いた。

 レーナは聞こえなかったらしいが。


 あの時は清らかな風の様な声量だったが、今聞こえた声は、体の芯に響く思い声量。


 「ウガガガアア!!!」


 だけど、そんなことを考えている場合では無かった。

 アースドラゴンは大きな足取りで走ってくる。


 ただ走るだけなのに、離れていても僕が立つ地面が揺れるのを感じる。

 僕は恐怖で動けない。


 動けたのは、レーナだけだった。


 「はあ!」


 レーナは飛び蹴りで、アースドラゴンの頭部を蹴る。


 ガン!

 重い音が鳴る。


 レーナによる蹴りは無惨に、跳ね返される。


 アースドラゴンには、効いた素振りが見受けられない。


 「く?!」


 寧ろ、蹴り込んだレーナ本人がダメージを受けた。


 アースドラゴンが硬すぎたのか、蹴った際のレーナの足の甲が僅かに赤くなっている。

 頑丈のレーナが、僅かとはいえ、赤く腫れている。


 レーナの蹴りは、硬い皮膚を持つオーガを破壊する威力を持っているのに。

 恐るべき、アースドラゴンの強度。


 「せあ!」


 そして、レーナは正拳突きの乱れ撃ちでアースドラゴンを攻撃する。

 だけど、それもアースドラゴンの体制を僅かに崩すに至るまでだった。


 アースドラゴンは一度、足を止め、レーナを凝視する。

 足が竦みあがるほどの眼光がレーナを捉える。


 レーナの顔は強張る。


 『~~~~』


 まただ。

 また謎の声が響く。


 すると、アースドラゴンの周囲に複数の岩が生成される。


 忘れていた。

 相手はドラゴン。


 ゴブリンやオーガなどの普通の魔物とは訳が違う。

 ドラゴンは魔法を当たり前のように使える。


 次の瞬間、複数もの強大な岩の投石がレーナを襲い掛かる。


 レーナは何とか回避しようとする。

 岩を避けるが、全部は避けきれない。


 一つの岩がレーナに直撃しようとする。


 レーナは正拳突きで、岩を破壊する。


 「ぐ?!」


 それでも無傷とはいかない。

 レーナの拳は少し血が出ていた。


 「グアアアア!!」


 アースドラゴンが口を開けて、僕に迫る。


 今度は僕か。


 これは避けられない。

 避けようと思っても、アースドラゴンが大きすぎて、完全には回避できない。


 「リック!」


 レーナが急いで、僕を横へ押し飛ばす。


 それで何とか、アースドラゴンの突進を躱せた。

 だけど、終わりではない。


 突進したアースドラゴンは反転して、また僕達に向き直る。


 不味い、流石に、レーナにドラゴンの相手は荷が重い。


 「レーナ!逃げるよ!」


 逃げ一択である。

 僕はレーナの手を引いて逃げようとする。


 走る僕とレーナ。

 だけど、レーナの方が圧倒的に身体能力は上のため、直ぐにレーナが僕を引っ張る形になる。


 逃げる僕達に対して、








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