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殺戮のメサイア  作者: 星島新吾
第一章中編:護身竜の村奪還作戦【本泥棒編】

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Alter.51 鍵の行方

【今日の今北産業】

・フェルの本名はフェリシア

・フェリシアは、花泥棒の主犯格。

・背後には帝国の企みが見え隠れ。

無論何もしないというワケではない。


『このままだと潜伏している帝国のゴーレムが水路から外に逃げちゃうだろうから……ここで動きを止められないか頑張ってみる 』


『コチラから破壊工作を仕掛けるということか? しかし爆薬なんて持ってないだろう。それに人間の力じゃゴーレムを破壊するなんて無理だぞ』


コマンダーの言葉に笑みを浮かべるアサシン。なにも動きを止めるのは破壊だけではない。


『コマンダー物騒すぎ。鍵、盗めば良いじゃん』


そう言ってアサシンは慌ただしく動く本泥棒達の間を縫って進みながら、本泥棒達の腰から起動キーを盗んで行った。


大きな木箱を馬車に積んでいく男達は、その透明人間の犯行に気づくことが出来ない。


「一つ……二つ……三つ……」


と心の中で、ポケットにしまった三つの鍵と、現場にあるゴーレムの数を照らし合わせていく。


『上出来だな』


コマンダーの声が再び脳内に響いた。


ゴーレムの数は稼働中のも含めて八機。三機も減らすことが出来た。


「急いで。ゴーレム乗りは、詰め込み作業を置いて壁の破壊に向かってください」


フェリシアの号令で慌ただしく動き始める間諜達。しかし、鍵を無くした三名の顔色は周囲のそれとは明らかに違う焦りの色をしていた。


本の入った箱を漁る者や、地面をランタンで照らしながら探す者、そして流れてきた水路に手を付けて探す者ものの姿があった。


「どうしました? 早くゴーレムにのって下さい」


フェリシアの声に、キーを盗まれた三人の呼吸が浅くなる。顔には絶望の色が浮かんでいた。


「フェリシアさん……鍵を―――鍵を、なくしました……」


「はっ? 」


聞き間違いを疑うフェリシアに、他の二人も気まずそうに近づいて来て鍵を無くしたことをそれぞれフェリシアに伝える。


「そんな……よりにもよって今のタイミングで? 三人とも気がつかなかったの? 」


「暗闇の中、本を詰める作業に夢中になり過ぎたのかも知れません……」


壮年の男が泣きそうになりながら弁明を口にするが、フェリシアは空いた口が塞がらず、静に彼らに失望していた。


「総員、一度手を止めて鍵の捜索を優先させて下さい。三人は私のゴーレムの付近まで来てください。キー無しで無理やり動かす方法を教えます」


フェリシアが三名を連れてゴーレムの下へ行っている間に、アサシンは透明のまま、今度は荷馬車に乗り込んで本の入った木箱に切れ込みを入れていく。


これで荷馬車が動けば、振動で木箱が自然に壊れて中の本が溢れるようになるはず、とアサシンは暗闇の中笑みを浮かべた。


『車輪の一部に切れ込みを入れておくのも良いだろう。途中で荷車が壊れれば……クククッ、分かるな? 』


コマンダーが視覚を通してみた情報で、指令をとばす。アサシンは頷いて、周りが鍵探しで躍起になっている間に本の乗った荷馬車から降りて、車輪にギコギコとクナイで切れ込みを入れた。


これで出発してしばらくしたら、荷馬車は壊れ、中身が散らばるという事故が起きるように仕組むことが出来た。


そしてアサシンは再度、ゴーレム達が再度どうなったかを確認するためにフェリシアの下へ向かう。


フェリシア達はランタンでコックピット内を照らしながら、ゴーレムの鍵穴を分解して剥き出しの回路を無理やり繋げて、ゴーレム達を動かしている最中だった。


するとそれを視覚共有で見ていたクラフトが、

『ゴーレムを動かすにはキーと、エーテルポッドが重要です。彼らがコックピットを開けている今、エーテルポッドに穴を空け、中の液体エーテルの液漏れを促すというのはどうでしょう』と助言した。


『ナイスアイデア過ぎてムカつく……』


キーを盗まれた三人がフェリシアから教わった方法で各自ゴーレムを起動させようとしている最中に、アサシンはコックピットに相乗りしてエーテルポッドに穴を空けて回った。


全員キーを失った時間的損失を埋めようと、必死になってゴーレムを動かそうと躍起になっていたため、隣でまさかエーテルポッドに穴を空けられているなどと、気がつきようもなく……三機のゴーレムのエーテルポッドには、小さな穴が空いてしまう。


『起動してしばらくしないと減りの速さには気がつけないでしょうし、何よりそのまま動かし続ければ故障に繋がります。その三機のゴーレムは無力化したと言っても過言ではないでしょう』


残念ながら他の五機はコックピット中で既に待機しており、出てくる気配もなかったが、それでも十分な成果と言えるだろう。


こうしてアサシンの不可視の妨害を受けつつも、何とかゴーレムを起動した三機は、残りの五機と連携してやっとのこと地下水路を通って発進していった。


それを見送りつつ、脳内でコマンダーの指令が引き続き飛び交っていた。


『アサシンは本が運ばれるのを少しでも遅らせられるよう、妨害を続けろ。そしてナイト、もう近くまで来ていると思うが、アサシンの視界は見ていたか? 』


コマンダーがナイトへ連絡すると、ナイトはすでに仲間のオールウィット隊と共にゴーレムで外壁に向かっている最中だった。


アサシンが時間を稼いでいる間に、ナイトもまた仲間を説得して警備から抜け出してきていたのだ。


『こっちは明るかったんでな。あんまし良く見えなかったが、大砲持ったゴーレムがフェリシアの機体で問題ないか? 』


『ああ。ヤツさえ止めれば敵に壁を壊す力はなくなる』







次回:トーレッド隊、発進!

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