81話
町の外に出ると、兵士たち武器を構えてフレデリック達を待ち構えていた。
「この国の新たな王カイデンだ。この騒ぎはなんだ?」
「新しい王だと?ふざけているのか!」
「ふざけているのは君でしょ?真偽を確認せず偽物と決めつけてるよね?」
「はぁ?何を言っ──」
返答してきた兵士を唐竹割りにすると兵士だった肉塊がベチャッと音を立てて地面に転がる。
「だって普通に考えたら不敬罪だよね。君死んで良いよ。で、どうするの君達真偽はともかく王を侮辱したんだよ?責任取れるのかな?」
場に剣呑な空気が流れ、兵士がフレデリックに警戒する。
せっかくだしここでも喧嘩売っておこうかな?
フレデリックが喧嘩を売ろうか悩んでいるとカイが口を開く。
「はぁ、やりすぎだ。……で、アンタら、この場で蹂躙されるか帰って新たな王の誕生を伝えるか好きな方を選ぶと良い。俺はどちらでも構わない。」
「何を言ってるんだ!!兵を殺されてむざむざと帰らねばならんのだ。」
兵士たちが剣を抜き突撃してくる。その様子を見ていたカイがフレデリックに指示を出す。
「はぁ、選択肢は出したからな。やれフレデリック。」
「任せて!絶望を教えてあげるよ!!」
カイが指示を出した瞬間に眼の前の兵士を数人まとめて斬り殺す。ある程度斬り殺したタイミングでフレデリックが叫ぶ。
「あはは、皆槍投げて!!フレイル王国の最初の戦争だよ!誰も生かしたら駄目だよ!!」
「「ニャアア!!」」
槍の雨が兵士の体を貫いく。兵士たちが貫かれた仲間を盾に歩みを進める。
「くっ、相手は獣人が多い!魔法部隊魔法の用意!!」
反撃として様々な属性の魔法が飛び始める。
おー、花火みたいだね!!じゃあこっちも魔法を使おうか!!何の属性で遊ぼうかな?あ、そうだ!
フレデリックが様々な属性の魔法を魔法に向かって放つ。フレデリックが放った魔法が鼠の姿に変わり同じ属性の魔法を喰らい尽くしていく。
「な!あ、有りえん!何故獣人が魔法を使えるんだ!!」
「今から死んでく君に教える必要あるかな?」
「化物め!!」
「化物?話ができるだけ君達よりマシだよ。」
「や、やめ──」
「たすけ──」
フレデリックが剣を振るうたびに肉片と悲鳴が増えていく。
命乞いするぐらいなら逃げればよかったのに。命がもったいないなぁ。まぁ気にせず殺すんだけどね。
フレデリックが虐殺し続け兵士の数が半分を切った頃、見覚えのある男が出てくる。
「待て、フレデリックと言ったな、そこの獣人よ。私だジョルだ。此度は我らの国がすまない。ここまでで手を売ってもらえぬか?」
「?それを決めるのは僕じゃないよ。でも虫がいいんじゃない?負けそうになるまででてこないとか勝てたらそのまま自分の国にする気だったんでしょ?そんな相手に話す内容なんか有るかな?」
可愛らしく首を傾げる返り血で髪が赤くなったフレデリック。
「話は終わりだね。じゃあ死ぬ準備はできた?」
「私の命は構わない。だが部下の命は助けてはくれないだろうか?」
「?君本当に立場わかってるの?それとも敬語が使えないの?僕達からしたら君達は略奪者でしか無いんだよ?それとも僕達が君達の国に攻め込んでも1人の命で許すのかな?しかも王でもなんでもない男の命の勝ちなんかたかが知れてるよね?」
フレデリックの言葉に返すことが出来ないジョルは苦虫を噛み潰したような顔でフレデリックを見る、
「しかしお主が任せると言ったではないか。」
「任せると言ったけど君が来るまでにどれくらいの人が死んだのかな?君は救えなかったんだよ。この国の人も君の国の部隊も。遅すぎたんだよ何もかもね。」
フレデリックの言葉が騒がしい戦場に重く静かに響く。その言葉を聞いたフレイル軍の攻撃が激しくなる。
「攻撃やめ!!」
カイの怒号が戦場に響き渡り全員が攻撃をやめ、ジョルとフレデリックのもとに向かってくる。
カイがやめろって言うんなら止めないとね。僕は忠犬だもんね。わんわん。
「カイか、久し振りだな。」
「ええ、今では俺のほうが立場は上ですけどね。……今直ぐ敬語を使わないのであれば不敬罪でアンタを処刑しなくてはいけなくなる。」
「ああそうであったな。すまな──」
謝罪をしようとした瞬間にジョルの首が空を舞う。ドサッと音を立てて首から離れた体が倒れる。
「敬語を使えって言ってんじゃん!!言葉わかんないのかな?この人は。」
首を切り落とした犯人は笑顔で剣についた血を払う。




