79話
そこからの数日間フレデリックはレオシウス王国中を回って人々をレオニアに集めていた。
反抗した貴族やその貴族が所有する兵士をを皆殺しにして連れてきたため大半が恐怖の表情を浮かべている。それを城のバルコニーから見下ろしているフレデリック。
「さて、この国で生きている人は集め終わったかな?反抗した人を殺したと言えだいぶ少ないね。」
「……そうだな。」
「カイ、どうしたの?」
「いや、何で俺が王冠を被っているのか分からなくてな」
頭を抱えているカイとライラ。それを楽しそうな笑顔を浮かべながら笑うフレデリック。
「だってライラが拒否したし、僕もやりたくないしね!まぁ、ライラは変わりに大臣やるって言ってたしいいじゃんか。」
「……それもアンタが押し付けたんだろうが……」
「……はぁ、私達ってとことん運がないわよね。」
もう、2人共これから人前に出るっていうのにしけた顔しないでよね。
フレデリックをジト目で睨む被害者の2人。それを無視して国の人々に向かって話し始める。
「諸君よく集まってくれたね。まぁ僕が集めたんだけどね。さて、君達をここに集めた理由なんだけどね、理由はいくつか有るんだ。」
わざとらしく大きな手ぶりをしながら理由を話し出す。
「1つ目は、この国が戦争に負けたんだ。しかも卑怯な手を使ったのにね。ヒューマン以外の人種を家畜のように増やしてその子供に自爆させたんだ。」
何が悪いのかわからないといったような表情を浮かべる人々。それどころか戦争に負けたことの方を気にしているようだった。
やっぱりヒューマン以外は人間だと思ってなさそうだね。なら人間扱いしなくてもいいよね。
「君達にとってはヒューマン以外は人間じゃなくて獣なのかも知れないけど獣に負けたんだ。今の君達は獣以下ってことなんだよ。」
フレデリックの言葉で怒りをあらわにする人々。
「俺達を侮辱するな!」
「ふざけるな獣の分際で!」
「勝ったくらいで調子に乗るな!」
フレデリックに罵詈雑言を浴びせる。
やっぱりヒューマン至上主義なのかな?カイも大変だね、こんなゴミ達の王様にならないといけないとか罰ゲームかな?てかうるさいしそろそろ黙らせようか。
「スゥ……ウラァァ!!!」
「ヒッ?!」
フレデリックが咆哮を上げると恐怖で黙り込む。
「だから僕は考えたんだ。君達にも同じ目にあってもらおうと思うんだ。」
フレデリックの言葉を聞き表情に絶望が混ざる。
やっぱりやられたことはやり返さないとね?
「安心して死ぬわけじゃないし自由を奪おうとしてるわけじゃないからね。今5歳を超えている人にはこれをつけさせてもらうよ。」
全員に見えるように首輪を取り出す。
「これはね、隷属の首輪って言ってつけられると、命令に逆らえ無くなるんだ。でも安心して君達が僕達にしたみたいに家畜としては扱わないであげるからね。これが1つ目の理由だよ。」
フレデリックの言葉が死刑宣告のように重く響く。
「2つ目の理由はここに新しい国を作ろうと思ってね。さっきも言ったと思うけどこの国は負けたんだ。まずはこの国がどうしてこんなことになってるか教えてあげるね。それはね、女神教が内政に口を出していたからだよ。」
フレデリックの言葉に反論しようとするが誰も声を出すことが出来ない。
「戦争を起こすように指示を出したのも君達が飢え死にするように食料を盗んだのも生活が出来ないように服や武器を盗んだのも全ては女神教の指示だったんだ。だっておかしいとは思わなかったのかな?何処に戦争を何度もやるだけの物資が有るのかな?なんでわざわざ獣人やエルフたちの国に戦争を仕掛けず人と共存してる国に戦争を仕掛けたのかな?」
フレデリックの演説にスキルの影響は消えているはずなのに反論で居ない人々。
これで女神教も居なくなるといいなぁ。宗教は面倒だし無宗教が良いよね。
「3つ目の理由はそんな言葉に釣られたこの国の王を公開処刑するためだね。誰か連れて来といて。後で街の真ん中で処刑するから処刑されたくなかったら皆も僕の指示に従ってほしいな。」
やっぱり教育って大事だね。ここまで言わないと反抗的な目を止めないしね。
「4つ目は君達をこの街で暮らしてもらうためだね。人数が少なくなりすぎてこの国の人を集めても1つの街で足りるようになったからね。」
だいたい理由はこんなもんかな?じゃあそろそろカイに代わろうか。
「5つ目はこの国の新しい王を紹介するためだね。紹介するよこの国の新たな王カイデンだよ。」
フレデリックの言葉に合わせ前に出てくるカイ。
「カイデンだ。よろしく頼む。」
「じゃあ建国宣言してね。」
「ああ……ここに新たな国、フレイル王国を建国する!!」
建国を宣言したカイは、フレデリックを見てしてやった顔を浮かべる。
僕の名前を入れたのかな?やられたね。名前を考えるの面倒だから押し付けたのがダメだったかな?




