72話
「で、ここはどんにゃダンジョンにゃんだ?」
「深くは入ってないけどドロップ型のダンジョンだよ。難易度はそこまで高くないから大丈夫だよ。付いてきてね。」
フレデリックを先頭にダンジョンの奥に進んでいく。進んでいくとゴブリンが数体出てくる。
「お客さんが出てきたね。じゃあ実践行ってみようか。」
「ッ!わかった。よ、よし行くぞ!」
震える手で槍を突き刺しに行く人々。数とステータスの暴力でかろうじて無傷でゴブリンを倒すことに成功し、魔石に変わる。
わかってはいたけど素人すぎない?このメンバーで戦争をするの無謀かな?……ステータスの暴力で押しつぶそうか。
「はぁ、はぁどうにゃ!」
「30点かな?まず力みすぎ、もう少し力抜いたほうが良いよ。で、次に槍の間合いかな?せっかく剣より間合いがあるのに剣の間合いに入っちゃうのはもったいないかな?あとは肘を伸ばし切ると次の一手が難しくなるから慣れるまではあんまり伸ばしきらないほうが良いよ」
「凄いダメ出しニャ……」
「次は僕がお手本見せてあげるよ。」
槍を作って更に進む。
「あ、でてきたね。じゃあ行くよ」
槍の中心を片手で握り肘を軽く曲げて構える。そのまま穂先で首を切り落とし、ゴブリンの群れから離れて間合いを取り直す。
「こんな感じで地道にチクチク刺していくのが槍の戦い方だよ。まとめてみたいな戦い方は出来ないけど生存率は高いから皆に槍を渡したんだよね。」
「確かに生存率は高そうニャ。けど集団戦は難しくニャイか?」
「うん。だから君達にはこうしてもらいたいんだ。」
槍をゴブリンに投擲するフレデリック。
「にゃぁ、戦い方言う必要あったのかにゃ?」
「あんまりないかな?でも近づかれたら死んじゃうのはもったいないでしょ?」
「それはそうニャんだが……」
「あ、ボス部屋に着いたよ。皆入るよ。っとその前に」
「にゃににゃに!ってさっきの鼠かにゃ?」
「うん。最悪その鼠が助けてくれるし武器の補充は頼んでね。そうそう、君達はひたすら槍を投げてね。今からこのボス部屋で戦争のシュミュレーションをするから。」
「聞いてにゃいんだけど。」
「言ってないからね。さあ行くよ。」
返事を聞く前に扉を開けて中に人々を押し込む。
「ッ!ニャ、ニャンだこの数!聞いていんにゃけど!」
「言って無いもん。で、ボスはゴブリンエンペラーとその群れだよ。安心してゴブリンエンペラーは倒してあげるから。」
「にゃ?!エンペラー?!どういうことにゃ!!」
「文句は後で聞くから早くしなよ。ほら早くしないと死んじゃうよ?皆距離が離れているうちに槍を投げて」
「クソ!やってやるにゃ!!」
人々が槍を投げゴブリンの数を減らしていくがゴブリンエンペラーが数をもとに戻していく。
じゃあアレは僕が殺そうか。早く殺さないと面倒だしね。
暗殺術を使い気配を消してゴブリンエンペラーの真上まで飛び首を切り落とす。首を切り落とされたゴブリンエンペラーは王冠と魔石を落とし消滅する。
【Levelが上がりました】
【Levelが上がりました】
︙
【Levelが上がりました】
王冠ドロップするんだ。有り難くもらっておこうか。ついでに魔法使ってくるゴブリンも殺しておこうか。
ゴブリンメイジもあらかた殺し終えたあと、振り返り人々の様子を確認するフレデリック。
さて皆の様子はどうかな?お?近接と投擲で別れてるね。ちゃんと考えられるんだ。
空を飛びながら様子を見るフレデリック。ゴブリンの波が人々を飲み込もうとするが何とか抑え込んでいる。
ゴブリンのが優勢そうだね。仕方ない少し力を貸してあげようか。
最前線のゴブリンたちの前に降り立ち白銀の伸縮剣でゴブリンを吹き飛ばしていく。
「……俺達必要だったかにゃ?」
「さぁね。そんな事より生き残ることを考えなよ。手伝いはここまでだよ。」
ある程度ゴブリンと人々の間に距離が空いたタイミングで空に戻り観戦し始めるフレデリック。
──1時間後
残り半分くらいかな?意外と頑張るね。だんだん連携も取れるようになったしいい感じかな?レベルも結構上がっただろうしそろそろいいかな?
「はい、時間切れ。」
「はぁ、はぁ、終わらせるなら早く終わらせてくれにゃ。もう限界ニャ。」
「スゥ、ウラァァァァァ!!!!」
咆哮を上げて動きを止め酸魔法でゴブリンを包み全てを溶かしていく。
【Levelが上がりました】
【Levelが上がりました】
【Levelが上がりました】
「こんなもんかな?」
「にゃあ、にゃんで始めからやらにゃかったんにゃ?」
「?面倒だったのと君達のレベルを上げておきたかったからね。さてこれをあと8日続ける予定だから。」
フレデリックの言葉で疲労の溜まった顔が絶望に染まる。
君達の復讐だから頑張るのは当然だよね?って戦闘終わったけど戻らないね……もしかしてスキル解除するまで続くのかな?まぁ、被害はないしいいよね。




