70話
どうしたら戦争を始められるか考えてるフレデリックだよ。とりあえず王様の寝室は見つけたんだけどどうしよう?
フレデリックが悩んでいると執務室に王を含めた何人かの人が入り込んでくる。
「はぁ、何故こんな時に事件が起きるのだ。聖地を取り返すための大切な時期だと言うのにこの城の警備はどうなっておるのだ。」
「全くですな。ですが口うるさい老害どもが居なくなったと考えればちょうどいいのでは?」
「うむ。これでさらに女神教を広められる。だが面倒なことに暗殺者がまだ城の中にいる可能性があるのだ。」
お、ちょうど話に上がってるね。でもここで王様を殺すと始まりが遅くなりそうだし周りの誰か一人殺して血で文字を書いておこうか。
近くの人の首を切り落とす。噴き出した血が部屋だけでなく人を赤く染めていく。
じゃあ。なんて書こうかな?簡単でいいかな?でも僕の中の中二病が格好良くって言ってるんだよね。
「な、何が起こったのだ!!」
「わ、わかりません!!」
「ッ!陛下を守れ。賊を近寄らせるな!」
「あ、あれを!あれを見るのだ」
一人が壁を指差す。指された壁を全員が見ると血で文字が書かれていく。
『我らは復讐者。この国を喰らうものなり。10日後、蹂躙しに参る。』
「どういうことだ!」
「わかりませぬ。しかし、このままでは不味いかと。」
「……今戦えるものが少ないこのタイミングとは卑怯者め!!使える人材を集めろ!!」
「ハッ、かしこまりました」
こんな感じでいいかな?さぁ、戦争を始めよう。まずは食料からだね。あとは他の街も確認しておこうか。
部屋を出て食料庫を探すついでに分身に他の街を探させる。食料庫に着くと大量の食料を収納にしまっていく。
あ、良いこと思いついた!これはいい嫌がらせになりそうだし、使おうか!
収納から腐乱死体を取り出し放置する。食料庫の中に腐った肉の匂いが充満していく。
これはいいイタズラだよね。じゃあ次は町中の食料を奪っていこうか!君達がやられたことをやり返すだけだし、この国を止めて欲しいんだよね?任せといてよ!
死体に軽く笑いかけて街に向かうフレデリック。街に置いてある食料を含めた全ての物を収納に入れていく。街にいる人々が物が消えたことに驚く。
「はぁ?!なんだ急に物が消えたぞ!」
「え?!こっちもなくなってるわ!どういうことよ!」
「何も無いじゃないか!金返せ!」
フレデリックのせいで混乱が訪れるが気にせず収納していくフレデリック。
だいたい収納に入ったかな?売ってるものはだいたい収納にあるし次の街でもやっていこうか!
街という街の物資を奪い続けていると、街と街の中間の位置に石を積み上げてできた壁が見えてくる。
なんだろうね?こんな中途半端なとこに建てるのかな?戦争用の基地にしては場所が変だよね。しかも肥溜めみたいな臭いもするし、本当に何なんだろうね。
中を覗くと服を着ていないヒューマンを除いた数千人の人種が首輪をつけられ鎖で繋がれている。よく見ると汚物もそのまま放置されている。
「ったくなんで俺等がコイツラの監視なんかしないといけないんだ。」
「仕方ないだろ。人も足りないし信用できるやつが少ないからな。しかもアイツが戦争に行っちまってやりたがるやつもいねぇし。」
「こんな猿どもさっさと処分したらいいのにな。」
男たちの言葉でビクッと怯える繋がれた人々。
ふぅーん。これさこの人達に殺させるの有りじゃない?そろそろ夜だし夜になったら聞いてみようか。
──数時間後
月も雲に隠れ明かり一つない空を見上げ夜になったことを確認した二人の男が繋がれた人々を見下しながら
「おい、俺達は行くが子供たちが大切なら逃げようとするなよ?」
「ははは、首輪をしてるんだ。逃げれるわけ無いだろ。」
「くく、それもそうか。」
そう言うと去っていく2人を怒りと絶望の混ざった顔で睨みつける人々。
さて、お話していこうか!きっと協力してくれるよね。
「ねぇ、君達悔しくないの?」
「悔しいさ。悔しいけどどうすることも出来ない。何も出来ないのはあんたも同じだろ?」
「違うよ?僕は繋がれてないからね。それより復讐できるなら復讐したい?」
「したいに決まってんだろ!でもこれのせいでできねぇ!これがある限り人間としても生きれねぇ!」
首輪を掴みながら叫ぶ獣人。それに気付いた人々がフレデリック達を見る。
「じゃあ外してあげるよ。外れたら僕に協力してね。」
「無理に決まって……はぁ?!」
大量の鼠型の分身が繋がれている人々の首輪を喰らい尽くしていく。首輪がなくなったことで驚いている人々に服を渡し、全員が見えるように壁に飛び乗る。
「さぁ、解放してあげたよ。復讐の手伝いをして上げるよ。代わりに手伝ってもらうよ。」
フレデリックがそう言うと雲が晴れ一筋の光がフレデリックを照らす。
──まるで希望の光が現れたように。狂気的な笑みを浮かべるフレデリックを神秘的に照らす。
その光景を見ていた人々の中には着替えることも忘れ祈る者も現れる。
「──さぁ、この地獄を終わらせよう。」




