64話
領主の館がある街の中心に向かう3人。
「見てカイいろんな屋台があるよ。」
「あんまりうろちょろしないでくれ。迷子になったら探すのが面倒だ。」
「元気ね、アナタは……」
フレデリックが色んな店に寄ろうとフラフラするせいで2人はゲッソリとしている。そんな様子を楽しんでいるのか、寄ろうとしている店の数が増え得ている。
あ、あの飴、可愛いし美味しそう!買ってもらおう。
「カイ、アレ買ってよ!」
「はぁ、わかったから落ち着いてくれ。」
うさぎの飴細工を買ってフレドリックに手渡すカイ。受け取ったフレデリックが食べようとしない。その様子を見て理由を尋ねてくるカイ。
「食べないのか?」
「いや、可愛くて食べれないから飾っとこうかなって」
「……気持ちはわかるけど食べなさいな。また後で買ってあげるから領主様の館に付く前には食べなさいよ?」
ライラの言葉を聞いて飴を舐め始め静かになるフレデリック。静かになったのを見てため息をつく2人。
割とふざけた行動したけど、おかげで明らかに罵倒は減ったね。まぁ、差別意識はそのままだろうけど。
フレデリックが飴を食べきる頃に、領主の館が見えてくる。領主の館は壁で囲まれ中にいくつかの屋敷がある。
「ねぇ、何で周りを囲ってるの?意味無くない?」
「意味はあるな。戦争が起こった時か、魔物が襲って来た時に避難場所として使うために囲ってる。……今回の戦争はいきなり過ぎて機能しなかったがな。」
まぁ、本来は2ヶ月後だもんね。見てきて分かったけど約束を守るような連中じゃないよね。
「今日はどんな用で?」
「アモスさんから聞いてないかしら?今回の戦争の片付けが終わったのと新しい事実が分かったから報告に来たの」
「少々お待ち下さい。確認に行ってきます。」
門番の内の一人が中に入る前にアモスが出てくる。
「後は私に任せてください。」
「はっ。獣人も中に入れますか?」
「ええ、むしろその人が今回の話で一番重要ですから。それに入れなかったら無理やりでも入ってきますよ。」
「「よくわかってるな(わね)」」
「酷いなぁ、まぁ事実だから言い返せないや。」
酷いよね。僕が何をしたっていうんだろうね。この町を守ってだけなのにね。
「では案内いたします。ついて来てください。」
アモスについて行き、屋敷の中に入っていく。中に入るとカイとライラに手を掴まれる。
今なら捕獲された宇宙人の気分がわかる気がするね!
「うん?なんで手を掴んでるの?」
「いや、アンタこうでもしないと屋敷の中を探索しようとするだろ。」
「ちっ。ソンナコトナイヨ。」
「はぁ、説得力ないわよ。」
「何やろうとしてるんですか……っと着きました。ここでお待ち下さい。」
一階の角部屋に案内される。中は質素で机とソファー以外物がない。ソファーに座るとメイドが目の前に紅茶を置きそのまま入り口付近で待機する。
こう言う待ち時間ってなんか嫌だよね。と言うか用があるなら待たせるのは違うよね?
「碌でもないこと考えてるのはわかるが、口には出すなよ?」
「何で碌でもないことって決めつけるのさ、もしかしたら違うかもしれないでしょ。」
「後で聞いてあげるから今は止めてちょうだい……」
ため息をつく2人。2人がフレデリックにあきれていると、ノックの音が聞こえアモスが入ってくる。
「お待たせしました。領主様をお連れしました。」
アモスのその言葉で立つカイとライラ。気にせず座りながら紅茶を飲むフレデリック。中に入ってくるジョル。
「すまない、待たせてしまったな。座ってくれ。」
「わかりましたわ。失礼します。」
ジョルの言葉で座る2人。2人が座ると紅茶がまた注がれる。
「何処まで知っているのかまず教えて欲しい、」
「とりあえずこれを読んで」
「これは?」
「遺書と戦争仕掛けてきた国が壊れた理由を集めた資料かな?この街から東に行ったとこにある街の領主が集めてたんだよね。」
フレデリックが手渡ししながら説明する。
「……なるほど、もはや私達の手には負えないな。国に要請しなければな。悪いがこれをもらっていくぞ。」
「構わないよ。ねぇ、あの人からは情報取れた?」
「いや。毒を仕込んでいたのか尋問する前に死んでしまった。」
「そっか。」
沈黙の中、紙の擦れる音だけが静かに響く。そんな沈黙を破ったのはジョルだった。
「……やはりあの国は腐ってるな。……あとは私達に任せてくれ。」
「うん。よろしくね。じゃあ僕は出るよ。」
扉の前にはアモスとメイドが待機していて出れなかったため窓から外へ出るフレデリック。
レオニアを分身が見つけたみたいだし、ちょうどいいね!ただ、獣人だと出歩けないけど姿消せばいいよね?あとでまた戻るの面倒だし分身置いとこうか。




