58話
「ねぇ、クッキーのおかわりないの?」
「はぁ、今はやめろ。後で買ってやるから。」
空になったクッキーの袋を逆さにしてさらにクッキーを要求するフレデリック。それを止めるカイ。それを見ていたライラが
「……ねぇ、カイ、領主様の説明にこの子を連れていきたいのだけど、ついてきてくれないかしら?」
「断りたいところだが領主様相手にやらかすほうが怖い」
「む、失礼な。いつ僕がやらかしたって言うんだ? それに悪いけどついて行かないよ?」
「既にやらかしてるわよね? ……で、どうしてか聞いても良いかしら?」
机をトントン叩きながら尋ねるライラ。
イライラしてるね。まぁ、僕のせいなんだけどね。
「だって今から攻め込みに行くつもりだからね! 攻め込んでおいて攻め込まれないってのは通用しないことを教えてくるよ。」
「……何を言ってんだアンタは。一人で街、いや国に勝てるとも?」
「カイ、君は何を見てたの? 悪いけど例え世界中の国が相手でも全てを殺せるよ。」
真顔で言い返されて固まる2人。それが面白かったのか、笑いながら
「あはは、安心してよ。ここの街は僕の友達に守ってもらうから。」
「はぁ、そこじゃないんだけども……友達って誰かしら?」
ポケットから何かを取り出すふりをして鼠の分身を出す。
やっぱり可愛さ優先でポーチラットかな?
「ヒィ! ね、ネズミ?! ど、どこから持ってきたのよ。」
驚いて、ソファーの後ろに隠れるライラ。
むぅ、こんなに可愛いのに。そんな驚くかな?
鼠を見て頭を抱えながら質問するカイ。
「まさか、それが友達とか言わないよな?」
分身の頭を撫でながら質問に答えるフレデリック。
「僕の友達可愛いでしょ? あ、でも、気を付けてこの子、単独でダンジョンにあるオーガの街を壊滅させた事があるからね。」
ピタリと固まる2人。フレデリックと手の上にいる鼠を交互にみている。
「……嘘よね?」
「嘘なら良いんだけどね。」
「……なぁ、なんでアンタに従ってんだ?」
「? 知らないよ? 気がついたらずっと一緒に居たから。」
分身のお腹をワシャワシャすると、気持ちよさそうに目をつぶりながらゴロンと横になる。
うーん、まだ警戒してるね。よし! 面倒だから全部スキルにしようか。
「内緒に出来る?」
「……何がだ? ……聞くのが怖いから聞きたくないんだが……」
「ええ、そうね。けど、どうせ話すんでしょ?」
「うん。そうだね。実はこの子スキルなんだ。」
「「はぁ!?」」
2人が驚愕の表情を浮かべて固まる。追い打ちをかけるようにフレデリックが手の上に乗せていた分身をスキル解除し分身が煙のように消えて無くなる。
「……」
「で、こんな感じで鼠を出せてね、一匹一匹が国を滅ぼせる程度の力があるんだ。で、これほぼ無限に出せるんだ」
「ヒィ!?」
執務室を埋め尽くす勢いで大量に分身を出していく。ライラから悲鳴が上がったが無視して出し続けていると
「おい、そろそろやめろ。」
「えー、まだまだ出せるよ?」
膝下まで埋まった所でカイに止められる。ライラは、ソファーの上で震えている。
えー、ハムスター嫌いなのかな? 可愛いしこんなにモフモフなのに触らないのは人生損してるよね。
「とりあえずスキル解除してくれないか? このままだとライラが話できん。昔鼠に足を噛まれてから苦手なんだとよ……なんで理解できないみたいな顔してんだよ。」
「理解できないからこのままじゃだめ?」
「だめに決まったんでしょ!! 早く解除して」
はぁ、解除したくないけど仕方ないなぁ。
分身を解除するフレデリック。鼠が、消えたことでホッとして座り直すライラ。
「ねぇ、分身を攻め込ませたら良くないかしら?」
「うーん、分身だけだと国1つが更地になるけどいい?」
「良いわけ無いだろ。はぁ、1日くらい我慢出来ないか?」
「出来ないよ? 我慢は体に毒だからね!」
胸を張ってそう発言するフレデリックに対して諦めの表情を浮かべる2人。
「じゃあそろそろ行くね。」
「……止めても行くんだよな?」
「もちろんだよ?」
「はぁ、もう好きにしなさい。私は疲れたわ。」
「うん! 好きにさせてもらうね!」
返事を聞く前に執務室から出ていく。何か2人が話していた気がしたが気にしないフレデリック。
ん? そう言えば何で応接室じゃなくて執務室で話してるんだろうね? もしかして応接室無い?
あまり意味の無いことを考えながらレオニア軍が来たほうに向かって走り出す。向かっている途中で気づく。
これ、獣人の姿で行ったらダメなヤツだよね? 服買うの忘れちゃった。……鼠の姿で行こうか。どうせ滅ぼすだけなんだからさ。うーん? なんか忘れてる気がするんだよね。なんだったかな?
しばらく同じ場所をぐるぐる回りながら考えるフレデリック。
……あ! 進化できるの忘れてた! 何が追加されたかな?
名前:フレデリック
種族︰火鼠(0歳)
Level:100/100
RANK_S
HP︰ 14,701,654,803,570,400 / 14,701,654,803,570,400
MP:1,354,000,060,161/ 16,974,445,405,457,600
腕力: 14,421,136,848,743,800
脚力︰ 14,421,136,848,743,800
体力︰ 15,013,330,506,092,900
防御力: 10,763,215,622,342,500
俊敏︰ 17,008,039,516,801,200
器用︰ 16,288,154,448,064,500
攻撃魔力:12,342,002,196,573,400
回復魔力:11,338,002,823,817,800
SKILL:
ユニーク
ステータス閲覧(5)、増殖(10)、毒喰らい(1)、死病(3)、共鳴汚染(1)、運命は我が手に(1)、身代わり(1)、自爆(1)、自分だけの場所(1)、秘密の抜け穴(1)、進化の軌跡(1)、毛皮燃えゆ再生(1)、擬態火(1)
レア
毒生成(10)、毒魔法(10)、状態異常耐性(10)、気配遮断(10)、気配探知(10)、酸生成(10)、酸魔法(10)罠魔法(10)、巨大化(8)、小型化(6)、悪食(1)、収納(8)、擬態(1)、痛覚遮断(4)、飛行(1)、全属性魔法(5)、火属性無効(1)
コモン
統一言語(2)、投擲(6)、身体強化(6)、魔力操作(6)、速読(1)、大剣術(4)
称号:異世界の魂、未来を掴む者、全ての可能性がある者、下剋上、厄災、運命を変えるもの、進化の頂き、人類へ至るもの
加護︰原初の女神(寵愛)
【進化可能】
強くなりすぎた感があるよね。しかも、HPとMPが2行になりそうだね。なったらどうなるんだろうね?まぁ種族が変わるから結局しばらく先なんだけどね。じゃあ進化先見ていこうか!
【進化先】
『フォレストラット』、『モンキー』、『ゴアイアス』、『人類 ▼』『ニードルラット』、『ウェポンラット』、『ウルフ』、『キャット』、『ラビット』
お?なんか増えてるね。まぁ、名前でだいたいわかる気もするね。
ラビット、RANK_F ラビット種の最弱種。進化先がかなりある。
✱進化先として選ぶと種族が変わるためステータスが百分の一になります。
うん。迷うね!今ある進化先が沢山あるからなぁ……かと言ってニードルラットか、ウェポンラットを選ぶってのも違う気もするよね……




