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ありとあらゆる未来のある鼠として転生したから好き放題生きていく【旧】全ての可能性がある鼠に転生(仮)  作者: リント
第1章

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21話

「キュー、キュキュ(じゃあ、よろしくね)」

「「キュキュ!(まかせて!)」」


【増殖の練度が上がりました】


一匹を勇者に、一匹をギルドマスターに、ギルド内部に一匹を観察する為に分身を作り出す。

え、僕?町の探索に決まってるじゃないか!せっかく来たんだよ?

町の中は中世ヨーロッパの様な石造りの建物が多く、一部木造建築がある程度で観光地に来た感じがする。良く人を見ると頭に獣耳が付いていたり、耳が少し長かったり、ずんぐりむっくりで毛むくじゃらな人達が歩いている。

うわぁファンタジーだね!


「安いよー今日は野菜が安いよ」 

「ええ、そうね。じゃあ2つちょうだいな。」

「へい毎度あり」

「そこの奥さん新鮮な肉はどう?」


町の声に耳を澄ますとそんな会話が聞こえる。そんな光景を見て、普通であれば平和でのどかな町に感じたかもしれない。

はぁ何か嫌だなぁ。外を見た後だと何だこの茶番って感じが消えないなぁ。城壁の外は何?あの場所で生活してる大人は犯罪者達かもしれないけど、子供だけは、保護しろよ。町から出ない奴は知らないのかもしれないけどあり得ない。潰すか?……いや他の町を見てから考えよう。


気分が悪くなった所で大通りから裏道に入る。裏道に入る手前辺りから衛兵が居なくなる。衛兵が居なくなった辺りから、目の焦点が合っていない人が道端に座り込んでいる。

この町腐ってるね。これって麻薬だよね?犯罪じゃないのかな?だとしても、意図的に放置してるよね?まぁその辺りは、領主の館に行った分身が報告してくれるかな?


そんな人たちの側に、茶色い粉が布に包まれて置かれて、それを舐めたり吸ったりしている人が居る。

完全に麻薬だね……麻薬ってことは毒か、ひと舐め失礼。

……あれ?新しく入手出来ない?なら、リンゴかぁ……でも毒を治す手段無いしなぁ。……この町消してもいい気がしてきた。


更に奥に入ると、取引をしている現場を目撃する。


「──お金ならあります!あ、アレをも、もっとください。」

「へっ、そんなはした金で買えるとでも?」

「そ、そんな!ぜ、前回はこの金額で……い、いくらですか?」

「そうだな。倍額は欲しいなぁ」

「ば、倍?!わ、分かりました……」

「じゃあ、金が出来たら呼びな!」


そう言うと裏道に消えていく。

よし、あれを追跡しよう!そうしたら、何か有りそうだしね!追跡を始めたタイミングで、領主の館に行った分身が解除され、記憶が流れ込む。


領主の館に行った分身SIDE──


ギルドマスターと、説明の為に呼ばれた男が勇者が乗っていた馬に乗る。

男でしかも、おっさん同士の2人乗りはキツイわぁ……


「すまない、ギルドの馬は全て偵察隊が使って居るんだ。借りるぞ。」

「ええ、大丈夫です。どうせ集団で移動する際には邪魔ですから。」

「うちの馬鹿どもを頼む。」

「……死なせない保証は有りませんが任せて下さい。」

「ハッ、もとよりギルドは自己責任だ。こっちは任せとけ。」


そう言うと馬を走らせ真っ直ぐ進んでいく。もう片方の分身と目配せをして、二手に分かれる。

うーん意外と馬って遅いのかな?軽く走っても抜いちゃうし、走りづらいなぁ。


走ること三十分。

やっと着いたよ。ずいぶん時間がかかるんだね。意外と広いのかな?それにしても、大きな館だね!あれ?俺が小さいのかな?

体育館よりも少し大きいくらいの館の周りを二周り大きくぐるっと木の垣根が囲んでいる。庭にはトピアリーや小さな噴水がある。

……権力者が大好きな感じだね。こんな所にお金を使うならもう少し自分の、町に使えばいいのに。

2人が中に入ろうとすると門番の2人に止められる。


「身分証と、要件を。」

「冒険者ギルドのギルドマスターだ。ユニーク種が出たため軍を出してほしい。」


そう言うと二人とも胸元からカード出す。それと、領主に渡してほしいとギルドマスターが手紙をだす。手紙を受け取ると片方が屋敷に走り出す。


「確認いたしました。中へどうぞ。」

「ああ、後勇者が使った馬も返しに来た。」


そう言うと馬から降りて、手綱を手渡す。馬を受け取ると屋敷の中から、執事がよく着ている服を着た初老の男が出てくる。


「ガルンガ様ですね?ヴィクター様に今直ぐにお会いしたいと?」

「ああ、手紙を渡したからわかっていると思うがダンジョン周辺でユニーク種が誕生した。そして、ダンジョンを破壊した可能性がある。もう正直ギルドだけでは対処が出来ない。」

「……なるほど、それは緊急を要しますね。今直ぐご案内いたします。」


そう言うと、執事が屋敷の中に先導していく。その後をバレないように付いていくと、豪華な部屋に案内される。

キラキラしすぎて、下品だね……


「では、少々お待ち下さい」

「ああ、分かった。」


そう言うと執事が部屋から出ていき、メイド服を着た女性が紅茶をついで、入り口の横で待機する。

5分くらいで、執事とこの世界では珍しい太った目つきの鋭い男性が部屋に入ってくる。


「すまない、少し待たせた。」

「いえ、大丈夫ですよ。それより手紙は読んでいただけましたかな?」

「ああ、結論から言わせてもらおう。今は軍を出すのは難しい。」

「……理由をお聞かせいただいても?」

「ああ、今この町では、薬が蔓延しているのは知っているな。」

「ええ、最近では冒険者にも使った奴がいますから。」

「なら話は早いな、それをバラまいている奴らのアジトを掴んだ。まずその為に軍をつかいたい。そして、軍が居なくなれば裏社会の奴らの思う壺だ。」

「確かにそれはお借りできませんな」

「ああ、ここからは、少し秘密にしてほしいのだが……」

「ええ、もちろんです。」

「最近うちの城壁の周りに浮浪者が居るだろ?あれも被害者らしい。アイツラが連れてきて、カモフラージュに使っているらしく報酬として、あの薬を渡されている。裏に貴族が居る可能性がある。そして、この町に間者が居るらしい。」


ギルドマスターがふぅーと息を吐き紅茶を飲み喉を潤す。

少し困惑の表情を浮かべて、


「……そうですか、話したってことは何かギルドにさせたいってことですよね?」

「ああ、出来れば最近来た冒険者について聞きたい。」

「確かに冒険者は、何処へでも入国出来ますからね。しかし、ここのダンジョンは人気が無いですから、一番最後は半年前ですかな?」

「……ちょうど、半年だ。薬が流行りだしてからな。」

「後で来たメンバーの詳細を届けに来ます。それそろギルドに戻ります。忙しい中申し訳ない。」

「いや気にするな。こちらも人員は無理だが物資の支援する。それと、今乗ってきた馬なんだが何かあった際に直ぐに来れるよう、ギルドに置いといてくれ。」

「お気遣い感謝します」


話が纏まったのかギルドマスター達が部屋から出ていく。執事が見送りをしていく。

うーんつまらなかったね!もっと何かドロドロとした権力者同士の話し合いを見たかったなぁ。じゃあスキル解除しようか。


本体SIDE──

危なかった!普通にいい人だった!もし、殲滅が無理そうなら協力してあげよう!てか今やっても良いのでは?

あ、それだと今いる奴ら消せても組織は潰せないかぁ……







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