104話
「色々聞きたいことは有るんだけど、まず気になった封印石って何?」
フレデリックが近くの石に座りながらイリスに質問をすると毛づくろいを止めフレデリックの方を見ながら答える。
「そのまま封印するための石ですにゃ。」
「いや、それだけじゃわからないんだけど……もう少し詳しくお願い。」
「封印石は最高神が作り出した強すぎる生物を封印するための魔石で作られた人工生命体ですにゃ。」
なるほど?よくわからないね。……というかなんで僕の前に現れたのかな?
「じゃあ次、なんで僕の前にいきなり現れたの?」
「それは貴方がこのダンジョンのダンジョンマスターを殺したからですにゃ。」
「いや、それは聞いたけどどうして僕をダンジョンマスターにしようとしたの?」
ため息をついたあと淡々と表情を変えずフレデリックの問いを返していく。
「はぁ、そもそもダンジョンとは世界を滅ぼしかねない生物を封印しその力を利用するために作られましたにゃ。」
「なるほどね。だからここのダンジョンマスターはMPが減っていたんだね。で、そんな生物を殺せる生物が新しくでてきたら世界の危機だから僕をダンジョンマスターにしようとしたって感じかな?」
静かに頷くイリス。頷いた後に疑問の湧いたフレデリックが更に質問をする。
「それってダンジョンマスターにメリットないよね。話からしてダンジョンの外にはでられくなるよね?」
「ええ、そうですにゃね。ですが変わりにダンジョン内を自分の好きなように改造できますにゃ。」
「それは楽しそうだけど出れなくなるのは困るね。あ!でもアレかな?君を猫にしたからダンジョンは消滅したのかな?」
フレデリックがそう言うとジト目で睨むイリス。
「はぁ、貴方は馬鹿なんですかにゃ?」
「?酷くない?何か変なこと言った?」
「私の能力を理解していますかにゃ?ダンジョンは生物の力を利用して作っているんですにゃ。」
「?それはわかってるけどダンジョンが壊れてるじゃん。それに君は封印がメインじゃないの?」
「ええ、ですが、力を利用してダンジョンを治すことも作ることも私の能力なんですにゃ。」
「うん。で、それがどうしたの?」
ため息を付きながら頭を抱えるイリス。
「ですにゃら、必ず封印する必要は無いんですにゃ。つまり貴方の力を利用すれば貴方の自由なダンジョンを作ることができるにゃ。」
「!出来るんだね!はじめから教えて欲しかったよ……」
「普通に考えたらわかると思いますにゃ。」
えーわかるわけ無いよね。言葉足りないんだよね……でも作れるんならいいか。さてそろそろアレク達は収納のスキルを覚えたかな?あれ?これどうやって変えれば良いのかな?飛ぶしか無いかな?
立ち上がりイリスに手を伸ばしながらそんな事を考える。
「?どこへ行くのですにゃ?」
「どこって外にだよ。僕が今作ってる国があるんだ。そこで君の力を貸して欲しいんだよね。」
「何を言ってるのかわからないですにゃ。」
「まぁ、そうだよね。じゃあ行こうか。」
「行くって何処に……きゃ!?」
脇にイリスを抱えフレデリックが開けた穴から外へ向かって飛び始める。少し落ち着いたイリスがフレデリックに抗議の目を向けるが気にせずフレイルの方に飛んでいく。
今日の星はきれいだね!月がでていないのが残念だけど……そもそもこの世界って月って有るのかな?
少しの間ぼーっと空を眺めていると抱えられたイリスから話しかけられる。
「この姿勢で運ばれるの怖いんですにゃが、どうにか出来ないでしょうかにゃ?」
「あ、ごめんごめん確かにこの姿勢は怖いね。」
イリスの脇に空いてる手を入れ胸の高さまで持ち上げ尻尾の付け根の辺りを支えるように抱きかかえる。
猫を抱っこするのってこんな感じで良いのかな?
「こんな感じで良い?きつかったら教えて。」
「ん、大丈夫ですにゃ。それより貴方って何者なんですかにゃ?」
「僕?僕は……説明が難しいんだよね。強いて言うとすれば最弱の生物だった鼠だよ。でも今は進化して他の種族になってるんだよね。」
「意味がわからないのですにゃ。まぁモンスターって事でいいですかにゃ?」
イリスに言われハッとして首を傾げるフレデリック。
僕は何なんだろうね。モンスター?人?わからないね。まぁ、そもそも人もモンスターも境界が曖昧だしよくわからないよね。
「それでいいよ。僕にもわからないし。あ、でもこれから会う人達の前で話さないで欲しいな。魔法の使える獣人ってことにしてるからお願いだよ?」
「はぁ、何となくわかりましたにゃ。」
「それと君と同じでケットシーにしたのがいるから仲良くしてあげてね。」
「ああ、既に被害者がいたのですにゃね……かわいそうですにゃ……」
酷い言いようだね……まぁ、ジェイドは後で戻す予定だけどイリスは戻すつもりはないんだよね。




