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序章・王国が滅んだ日

それはとある日の夜に突然起きた出来事だった。


「な┅何が起きたんだ!?」


この惨劇の一部始終を隠れながら見ていた国王はそう思った。


僅か一夜にして自分が治めていた大国がモンスターの手によって滅ぼされるという悪夢を


しかも相手が魔王と呼ばれる者や幹部級であればまだ攻められても言い訳ができるものの


『ゲシャシャーーッ!!』


襲撃してきたのが魔王どころか下級モンスターとされる『ゴブリン』『コボルト』『スケルトン』といった冒険者であれば誰でも倒せるという雑魚ばかりであった。


「くそっ!こんな時に限って勇者達は各地に散っていて戻ってくるのに数日はかかってしまう。だが、この有り様ではこの国が数日もつのかどうかわからない」


国王が情けない言葉を口にしたその直後


バタンッ!!


国王が隠れていた部屋の扉が蹴破られ


『ゲシャシャーーッ!!』


数匹のゴブリン達が部屋の中に入ってきた。


「ひぃっ!?だ┅誰かおらぬのか!余を助けよ!騎士団隊長はおらぬのか!」


ゴブリンを前に恐怖を感じた国王がこの国で勇者を除けば一番強いとされる騎士団隊長を呼ぶと


「騎士団隊長ならここだよ」


ゴブリン達に紛れて黒装束を纏った人物が袋を国王の前に投げると


「この袋だと?騎士団隊長は何処に┅ひぃーーっ!?」


袋からこぼれたものを見て国王は腰が抜けてしまった。


何故なら袋の中には切り落とされた騎士団隊長の首が入っていたからだ。


すると


『ゲシャシャーーッ!!』


「そうか、他は制圧に成功したか」


ゴブリン達と共にいる黒装束の人物はまるでゴブリンと会話しているかのような態度をした。


「モ┅モンスターと会話だと!?そんな奴おるわけ┅」


この世界においてモンスターは人型だろうが普通は会話が不可能とされる。


ところが


「おいおい、あんたが俺にモンスターと会話する能力(スキル)を与えてくれたんじゃないか」


黒装束の人物がそう言った直後


「余がお前に能力(スキル)を与えただと┅まさかお前は┅!?」


国王は何かを思い出すが


ザシュッ!!


「ぎゃあぁーーっ!?」


『ゲシャシャーーッ!!』


思い出す直前にゴブリンの一撃を食らってしまった。


「い┅痛い!?な┅なぁ、余を助けてくれ!?金なら欲しいだけくれてやるし、女も極上を用意するから過去の事は水に流して余を助けて┅」


痛さに我慢できず襲撃者に命乞いする国王に対し


彼は┅


「いいよ。俺があんたを助けてやるよ」


国王に対して助けると返事をした。


「あ┅ありがとう」


命が助かると思い、ホッと安心する国王であったが


その直後


ザシュシュッ!!


国王はゴブリン達の一撃を食らい、刃物で刺されまくった。


「ぐふっ!?な┅何故だ!?余を助けてくれると言ったではないか!」


まさかの展開に国王が黒装束に聞くが


「あぁ、痛みから解放するには死しかないからな、あんたには死んでもらうよ」


と、黒装束は口にした。


彼は最初から国王を殺すつもりだったのだ。


「さぁ皆、やれっ!」


『ゲシャシャーーッ!!』


その後、彼はゴブリン達に命じ


「ぎゃあぁーーっ!?」


国王を殺させたのだった。


「ざまぁみろ」


その後、国を襲撃した彼とモンスター達はすぐに国を脱出し、一夜にして5つある大国のうちの一国が滅ぼされるという歴史的事件が起きたのだった。


それから数日が経過し、ようやく各地に散っていた勇者達が戻ってきた時には


「な┅何だよこれ!?」


城は半壊し、国王は無惨に殺された姿であった。


だが城にいた者は騎士団隊長や兵士、侍女や大臣等全て亡くなってはいるものの、町の被害はほとんど無いという不思議なものであった。


一体何が起きたのか


誰もわからないのだった。


一方、国を襲撃した彼はというと


『ゲシャシャーーッ』


「ありがとう。君達のおかげで少しは気が済んだよ。これで少しはこの世界の闇が消えてくれるといいけどね」


ゴブリン達と去りながらそんな会話をしていた。


「あの時の僕に教えてあげたいよ。諦めずに頑張ればこうなることができるってね」


一体彼に何が起きてこのようなことを仕出かしたのか


これは彼がこの世界にやって来て数年後に起きた出来事である。


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