「童貞」
[プロローグ]
「高杉先輩、今日メンバー足りてないんで合コン来ませんか?」
男子校で男二人の放課後の教室。
人生で初めて言われた言葉が耳に届いた。
そんな言葉を発した、彼の名前は菊地。
俺レベルにはないがいい顔面を持つ後輩だ。
いきなりだがこいつは馬鹿だ。
この地域でNo.1顔面偏差値を誇ると言われている、この俺を合コンに誘うというのは明らかな自殺行為。
でもなぜかまだ俺は、彼女ができたことがない「童貞」
そんな俺は、当たり前だが、ここは行くという選択肢をとる。
「俺で良ければ行くぞ、何時からだ?」
何故だろう、俺はイケメンでモテていて女子ともよく喋っているはずなのに、すごい緊張している。
体が震え、鳥肌が止まらない。これが生まれてから17年間「童貞」を守り続けたデバフなのか?
そして菊地後輩はこう答えた
「17時開始で場所は駅前のカラオケです!」
おいおい、菊地後輩よ、嘘は良くない。
今をときめくこのイケメン高校生でも女子とカラオケなんて行かないんだぞ?
でもここは合コンに行けるチャンス。
のっておこう。
「わ、わかった。それで、菊池と俺以外に誰かいるのか?」
正直、この後輩イケメンと二人で行くのは、相手の女の子が吊り合わない可能性が高い。
正直ここは普通の顔がほしい。
ーカラララ
教室の扉が開く音がした。
この後の合コンから高杉陸翔の人生は嵐を迎えることとなる。
果たして高杉に彼女ができないのは、男子校のせいなのか?
それは、誰にもわからないだって、誰も先を知らないのだから。
みなさん、こんにちは。高木です。