4「長い前書きよりも旅を進めよう」
チケットも、親に任せるという大凡誉めるべきどころか怒られても仕方がないようなていたらくのまま
自分は、長野発の夜行バスに乗り込んだ
そのとき、誘っていただいた人はおらず
途中で合流したのであるが
そのときの自分の心境は
「仕事をしていた人に言ってしまった手前
足の指が一本二本無くなっても、必ずこの旅を、歩き通さねばなるまい」と言うものであり
楽しむという本分はゼロに、近かった
どちらにしても、人見知りな、自分は、みことほど言葉を交わした後、一人無言のまま、いすに横たわった
申し訳ない
で、四国である
鳴門海峡の感想も、おお、橋だくらいであり
それよりも、雲が低いことに驚いているのであった
ちなみに、バスは、一度乗り換えており
大阪で、四国に向かうバスを、待っていたのであるが
そのときにはもう、巡礼の方が、ちらほらとこんな所から居て、荷物を、持たせてくださいと、言われ
「重いですね」何て言われると、歩いてもいないのに
鼻高々な馬鹿であった
しかしながら、いざバスが出発して
いよいよだなどと、思っていたのかも知れないが
ふと横を見れば、コロコロの付いたアタッシュケースを、すごいスピードで、転がす二人が、バスを追い駆けていた、そのとき、運転手に、言う勇気が、あれば、少しは、晴れやかに、それっぽく、お遍路を始められたのかも知れない