表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/76

#八 不忍池(四)

「人肉を出すような噂の立つ店に、人を連れて行くやつがいるか。それにあの店じゃ、俺も食ってただろ」


 小波に言われても、コガネは首を横に振る。


「アニキって、どこまで信じていいかわかんねえんだよ。人の肉だって普通に食いそうだし」


「食うもんか、あんなまずい肉」


「食ってるじゃねえか!」


「冗談だ」


「そういうところが信用できねえんだって!」


 激しく言い争う小波とコガネ。先程までの緊迫した空気が嘘のよう。


「なぁーに、むっししてるんでいすかあ」


 ぐだぐだになってきたところで、幼粘鬼が声をあげる。


「ひとぉをよびっだしぃておぅいてい、ほたぁらかしってどゆことでいす」


「あー、じゃあ戻っていいや」


「おぅい!」


 思わず叫ぶ幼粘鬼。その様子を指さして、小波がコガネに尋ねる。


「何を怒ってるんだろうな、アイツ」


「いや、そりゃ怒るだろ……」


 コガネが呆れてる間に、幼粘鬼はさらに高く上昇する。月光を浴びて、鈍く光る裸身。


「もーぅおこたでいす。ゆーぅたちはからっだのぶらぁどをぜぃんぶぴゅっぴゅしてい、みーぃのでぃっなあになりやぁがっればいぃーんでいす」


「えっ、オイラも!?」


「あたぁりまえでいす」


 言うが早いか、幼粘鬼はその口を人体ではありえない大きさにまで開いて、何かを吐き出した。


 ごぼぼごぼごぼぼぼっ!


 蛙の卵を思わせる、粘液状の泡が小波たちに降りかかる。慌ててよけると、周囲に腐臭が広がった。


「な、何なんだよアレ!?」


「知るか!」


 叫びながら、小波は外套の懐から短銃を取り出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ