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#六十二 鹿鳴館(四)

 勝手口のカギをサーベルで壊して館に入ると、館内は灯りも少なくて閑散としてる。コガネはそんな様子を見回して、コガネが心配そうに尋ねる。


「こんな寂しいとこで舞踏会なんかやってたのか?」


「やってた頃は、もっと明るくてにぎやかだったんだろうよ」


 豪華な調度品やシャンデリアも、今はみんな薄汚れて見る影もない。まるで鹿鳴館が象徴する文明開化をはじめとした、明磁になってからこれまでの全てが何かの間違いだったみたいな寂れっぷりだ。


「曲者ォ」


 天井から飛びかかる半分溶けた猿みたいな異形に、小波がサーベルの柄を叩きこむ。吹っ飛ばされた異業は床の上を大きくバウンドして、マントルピースに叩きつけられて動かなくなった。


「やっぱり中にもいくらか残ってやがったか」


 それでも半分以上は紅葉が引きつけてるのだから、右手の使えない小波にとってはありがたいとしか言いようがない。


「アニキ、早く親玉を片づけちまおうぜ」


「ああ、だがどこにいるんだ」


 一番肝心なところが固まってなかった。この作戦雑すぎる。


「まあいいや、こういうのは大体、一番奥にいるって相場が決まってるんだ」


「適当だなあ」


 コガネも呆れつつ、小波の後を追って奥へと進む。その途中でも次々襲ってくる異形たちは、小波のサーベルとコガネの蹴りで次々と打ち倒される。


 そして階段を上がったところで、別のところから入った美妙と合流した。


「そっちはどうです」


「いや、雑魚ばっかりで肝心の親玉が見つからねえ。美妙さんの方もか」


 うなずく美妙。


「どうする、このまま三人で行くか? それとも手分けして捜すか」


「いや」


 美妙は首を振って、サーベルを抜いた。


「君たちにはここで、退場してもらいます」

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