表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/76

#二十八 尾崎紅葉(一)

 男はコガネの頭に手を伸ばして――三角巾を外した。


「わあっ!?」


 獣耳をあらわにされて、驚きの声をあげるコガネ。


 その耳へ男が息を吹きかける。


「ひゃあああ!」


「ははは、本当に貉なんだ」


 床にへたりこむコガネを見て、なぜか笑いだす男。涙目で見つめるコガネに気付くと、笑うのはやめずに手を振った。


「あー、わりぃ悪ぃ。おまえがコガネだな、シズ子さんから聞いてる」


 全然謝ってるように聞こえない。


「な、何なんだよアンタ?」


 コガネに問われて、男は懐に手を入れる。


 取り出したのは扇子。


「俺は尾崎紅葉おざきこうよう。この分室の室長だ」


 バッと開いた扇子には、「偉い人」と書いてある。自分で書いたのだろうか。


「え、偉いのか?」


「うん」


 自分で言っちゃう紅葉。


「はわわわ、失礼しましたぁ」


 相手が偉いとわかって、急にオロオロ慌てるコガネ。


 小波たちの上司なら、自分にとっても上司になるのだから当然だ。


「あーいいよいいよ気にすんな。今のはどう考えたって、俺のほうが失礼だし」


「……それはそうなんだけど」


 一方的に襲いかかってきたのは紅葉なのだし、そこは否定のしようがない。


「耳、弱いんだな」


「!」


 顔を真っ赤にして耳を押さえるコガネを見て、さらに笑う紅葉。


「ははは、冗談冗談。俺は小波と違って、ガキに手を出す趣味はねえから」


「やっぱりアニキはそうなんだ……」


 むしろそっちにショックを受けるコガネ。


「俺がどうしたって?」


 入口から小波の声がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ