表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/76

#二十一 切裂惹狗(一)

 夜の銀座。


 瓦斯燈の明かりに照らされて、睨み合う小波と切裂惹狗。


 コガネは小波の後ろで、邪魔にならないよう洋食屋の立て看板の陰に隠れる。


「抵抗は無駄だ。おとなしく切り刻まれるがいい」


 そう告げる惹狗は、犬のような顔に人間の子供くらいの背丈。


 身体の大きさに対して頭が大きすぎるせいか、人間よりもいびつに見える。


 鎌鼬かまいたち(※十八)みたいだ、とコガネは思う。だが鎌鼬よりも見た目が凶悪だし、まとった気の邪悪さが尋常ではない。


 惹狗の持つ刃物は一見匕首(あいくち)(※十九)のように見えて、背の部分にはノコギリめいたギザギザがある。切られた時に痛そうだ。


「誰がおとなしく切られるかよ。ちょっとでもおかしな動きをしてみろ、その場で撃ち殺してやる」


 小波は強気に言うけど、狙いをつける難しさはコガネも前回の幼粘鬼で散々見てる。短銃は連射ができないから、一発で仕留めないと小波が不利になる。


 今は言葉をかけ合いながら、互いに駆け引きをしてるっていうのが実情だろう。


「……」


 息を呑むコガネ。静寂の中、緊張だけが高まり続ける。そして。


「はぁッ!」


 叫び声と共に、惹狗が横へ跳ぶ。小波が素早く銃口を向けるが、惹狗はさらに逆方向へ跳躍。


 ジグザグに移動しながら、少しずつ距離を詰める。そしてある程度近づいたところで、ふいに手に持った匕首を小波へ投げつけた!


「!」


 とっさに御伽創死を振るって銃身で弾く小波。


 銃口を戻すよりも早く、惹狗は別の匕首を取り出して飛びかかる!


「アニキィィィィ!」

※十八 鎌鼬…鼬に似た妖怪。知らないうちに切り傷ができてるのはだいたいこいつのせい。

※十九 匕首…つばのない短刀。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ