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#十五 郵便局分室(二)

「貴方が、巌谷くんの配達に協力したって子?」


「は、はいっ」


 尋問めいた鋭い口調でシズ子に問われて、ピンと直立不動の姿勢で答えるコガネ。


「アニキ――いや小波さんには危ない目に遭ったところを助けていただきまして、それから食事もごちそうになりまして」


 順序がおかしいし、小波のせいで危ない目に遭った部分もあるのだが、小波にとっては都合がいいので特に訂正しない。


「はっはっは、この子は幼粘鬼の討伐に協力してくれた功労者ですから。食事をごちそうするくらい当然ですよ」


 棒読みな笑い声をあげる小波。そこにコガネが付け加えた。


「それに夜遅くなったんで、自分の部屋に泊めてくれましたし」


「おやまあ」


 それを聞いて、シズ子は目を丸くする。


「大丈夫だった? 変なことされなかった?」


「え、えっと……」


 それまでの威圧的な様子から一変して、心配そうにコガネに尋ねるシズ子を見て、逆に呆れる小波。


「いや、俺は別にそういう趣味は」


「だって巌谷くん、子供がすきじゃない」


「……そうなんですか?」


 若干引き気味にコガネが尋ねる。


 童女の姿をした幼粘鬼をガン見してた様子も目撃したから、思い当たる節はある模様。


「あの、シズ子さん。その言い方は誤解を招きますから、言葉を選んでほしいんですが」


 おそるおそる頼む小波に、シズ子は意外なほどあっさりとうなずく。


「そうね。今の言い方は正確じゃなかった」


「でしょう。もっと正確にお願いします」


 調子づいた小波に言われて、言い直すシズ子。


「巌谷くんは小さい女の子が、性的な意味で好きだから」


「事態が悪化した!」


 頭を抱える小波だが、ここで思い至る。


「仮にそうだとしても、コガネと関係なくないですか?」


「関係あるじゃない。こんな可愛い女の子を前にして」

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