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✧ 詩 ✧ ふたり

秋のあなたへ


ゆっくりと静かな雨が降り始めた


渦巻く黒雲と暴風と豪雨が北へ去り

明るくて薄い雲からほのあたたかい水滴が落ちてくる


来週は冷たい雨が降るらしい

西風が吹いたら木々の葉は(あか)く染まり始めるのだろうか


窓を開け放った小さな部屋に

あなたは突然現れる


黒い瞳に白いカーテンが映って

赤いワンピースが風に揺れて

栗色の長い髪が胸に流れて


新しい季節が

微笑む瞬間を

僕は知っている



ー―――――――――――――――



あなたに会うのは何度目だろう

幼い頃のあなたはいつも笑っていた

思春期のあなたは冷たい素振りをしていた

去年のあなたは少し優しくて少し冷たかった


あなたは年々美しくなる






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― 新着の感想 ―
[良い点] 秋の移り変わりとあなたが現れる場面が西風で繋がっており、描写も簡潔ながらしっかりと脳裏に映る。 見事だと思いました。 [一言] 岬林 守と申します。 詩と言う詩が書けない人間なので、正に詩…
[一言] 何という優しく品のある風情の詩歌でしょうか。 秋の暖かく静かな雨にしっとりと濡れているような気持ちになりました。 年々美しくなる女性を想う主人公の胸の内が察せられます。 秋の一日に、素晴らし…
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