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心臓にナイフを突き付ける時に。

作者: 里々

心臓にナイフを突き付ける。


ここを切り裂けば、この胸の中にあるくろぐろとしたものは出ていくだろうか。


それが私の心臓を

締め付け、

殺そうとしている。

首をしめるように、ゆっくりと、確実に。


最大限の苦しみを与えられながら私は死んで行くのだろうか。


胸を切り裂けば、このどろどろとしたものは流れて行く気がした。


私の血や命と共に、

流れていくだろうか。


もしそうなら、私は躊躇いなくナイフを滑らせるだろう。


そうして得る痛みだけが

今、私の生きている唯一の証なんだろう。


ああ、

結局私は

死ぬ理由を探しているだけなんだ。

死んでもいい理由を。

そんなものあるはずないと、知りながら。


それでも死を求めてる。

生きたいと願いながら

死んでもいい理由を探している。


なんと愚かな存在なんだろう。


そんな存在なら

やはり私は死ぬべきだろう。


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