Dr.'s regret and toy
あるところに一人の博士が住んでいた。
その博士は戦争で親を亡くした孤児たちのために次のクリスマスにプレゼントとしておもちゃを作って、子供たちを喜ばせようと考え、おもちゃを作り始めた。そのおもちゃは一見すると、リスの形をした人形なのだが実はロボットで人の言葉を学習していって片言ではあるが喋れるようになる。さらに持ち主の情報を登録すると、持ち主と他人を熱で感知することが出来るという物だ。これをたくさん作って、クリスマスの日に孤児院に送った。子供たちはとても喜んだ。博士はこのことを研究仲間たちにその話をすると、一回見せてほしいと言われたので喜んで渡した。
その三ヶ月後
戦争はさらに激しくなっていく。そんな中、ある二人の兵士たちは砂漠の中、敵を探していた。
「おい、敵はどこに行った?」
兵士は双眼鏡で周りを確認する。
「逃げたしたんじゃないのか。ほら」
もう一人の兵士は砂漠の中にぽつねんと置かれている銃を指差す。兵士たちはゆっくりと銃へと近づいた時。急にものすごい銃声が鳴り響く。
そして二人とも地面に横になっていた。
「見事にトラップに引っかかってるな」
さっきの兵士たちの敵国である兵士は嘲笑しながら言う。
この銃は味方の情報を登録して、熱感知で味方とそれ以外を区別して、それ以外を見つけるとオートマチックに弾が発射されるというもので、つまり博士が作ったおもちゃの技術の理論を応用して軍事目的に作られたものである。これは使い勝手が良い為に戦場ではよく使われるようになった。
しかし、それ以外というのは兵士だけではなく無関係の住民にも当てはまる。高性能といってもさすがにそこまでは区別できないのだ。この銃はたくさんの人たちを殺し、そして恐れられた。その中には多くの子供たちも含まれている。
博士は良かれと思って子供たちにこのおもちゃを作ったが、逆に大勢の子供たちを殺してしまう。または孤児が増えてしまうものを作ってしまったのだ。
博士はぽつんと高い断崖の上に立っていた。下には海が広がっている。
「さて……」