表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/48

最終話 代償と選択

「……やめろ!」

中村が叫ぶと、半身の手は消え、鏡の中の自分も消えた。

中村は膝から崩れ落ち、頭を抱える。

「……もう、俺には、奈央の記憶も……」

「その記憶は、まだ消えていない」

先輩が静かに言うと、胸から懐中時計を取り出した。

「お前が失った記憶は、この懐中時計の中に保管されている。

俺が代償として失った『時間』も、この時計の中にある」

「……どうして……」

「俺は、お前たちを救うために、あの異空間の仕組みを調べた。そして、記憶を一時的に封印する方法を見つけ出したんだ」

先輩は中村に懐中時計を手渡した。

「この時計が満ちた時、全ての記憶は戻る。だが、そのためには……お前が払わぬ代償を、誰かが払う必要がある」 その言葉に、中村は目を見開く。

「……まさか、先輩が」

「……ああ。俺が、ここで全てを終わらせる」

先輩は微笑んだ。

その口元が、わずかに揺らぐ。

中村は懐中時計を強く握りしめ、言葉を失っていた。

それは、ひとりの男が、かつての自分の過ちを償うために、選んだ道だった。

外では、夜が明け始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ