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第41話 影の継承者

中村は現実に戻ってから数週間、胸の奥に不穏なざわめきを抱えていた。

職場の同僚からの何気ない会話も、窓に映る自分の顔も、どこか“半分だけ”違う気がする。


そんなある夜、マンションのポストに一枚の封筒が入っていた。

差出人は書かれていない。開くと、そこには短い文だけがあった。


「約束は果たした。あとはお前の番だ」


震える手で封筒を裏返すと、見覚えのある筆跡――山崎だった。


中村は翌日、山崎を訪ねた。

古びたアパートの一室、山崎は中村を見るなり苦笑した。


「……あんたも見たんだな。あの水面を」


山崎は静かに語り始めた。数年前、彼はこの異空間に迷い込み、ある男――“先輩”と呼ばれる人物と出会ったという。

先輩は山崎を現実に戻す代わりに、「次に入った奴を必ず導け」と条件を課した。

そして、山崎は中村へと“あのメモ”を託したのだ。


「俺はもう二度と行かない。……だが、あんたは違うみたいだな」


山崎の視線は、中村の左手に注がれていた。

そこは、うっすらと影のように透け始めている。

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