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ハラハラ

葉加瀬(はかせ)、やったな。今月もお前が断トツのトップだよ」



クライアントからの電話を切った私に、部長が声をかけてきた。



「本当ですか!?」


「ああ。この調子だと、同期の中で一番に課長職に昇格する日もそう遠くはなさそうだな」



部長の言葉に、私は思わず頬が緩む。



私――葉加瀬律子(りつこ)は大手総合商社の営業部で働く29歳。



新卒で入社して今年で7年目。



9割が男性のこの男社会では、今でも女性は軽視されたり舐められることも少なくはない。


けれど、逆にそれが私の闘争心を燃やし、男性には負けじと地道に努力した結果、今では営業部のトップにまで上り詰めた。



「先輩!さすがっすね!」


「ありがとう。でも、どうしても締切までにねじ込みたい案件がまだ残ってるから、それをなんとかしないことには安心できないかな」


「…マジでストイックすね」


「だからみんな、締切終わったら飲みに付き合って」


「「もちろんっす!」」



ありがたいことに、私は後輩から慕われているようだ。


私のような営業マンになりたいと言ってくれる後輩も多くて、同期やきっと同い年の中でも順風満帆な社会人生活を送っているほうだと思う。



もちろんトラブったりしたら大変なときもあるけど、なにより今の仕事が私に合っていて毎日が楽しい。



――ただ。



クライアントとのアポまで会社でデスクワークをしていると、そばに置いていたスマホが震えた。


見ると、母からのメッセージだった。



【さっき聞いたんだけど、ミナちゃんところも来年結婚するらしいわよ。律子は最近どうなの?】



私はため息をつき、返信することなくスマホの画面を伏せた。



仕事が大好きで、自分でも順調すぎるくらいの日々を送っているけど、…プライベートに関してはさっぱりだった。



学生の頃、周りの女の子は好きな人や彼氏について一喜一憂していたけど、私はそういう人たちとはジャンルが違った。


だれかに合わせてまでワイワイやるというよりも、1人で趣味やら勉強やらに没頭するほうが楽しかった。



だから、私にはほとんど友達がいなかった。


偏屈な性格ということもあるけど、見た目もオシャレとは程遠いお下げにメガネ。



あだ名は、なんのひねりもない『優等生』と呼ばれることもあれば、『サボ()』とも呼ばれた。


『サボ子』とは、ツンケンした私の言動がサボテンみたいということから、そのあだ名がつけられた。



そんなかわいげもないトゲトゲした私と違って、高校の同級生の中にはまるであのことわざをかたちにしたような人がいた。



『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』



立っても座っても歩いていても、自然と人々の目を惹きつけるような女の子。


それが、高校3年間すべて同じクラスだった小花(おばな)ゆめ。



立ち居振る舞いは柔らかく女の子っぽくて、おまけにだれに対しても愛想がよくて、彼女の悪口なんて聞いたことがない。


ゆるふわの茶髪のロングヘアは毎日違うアレンジをしてきて、オシャレで女子力が高い。



女にとってはなりたい憧れの存在で、男にとっては理想の彼女像だった。



そんな花のような小花さんのことを、私はことわざから取って『ユリさん』と呼んでいた。



ただ、本人に向かってそう呼んでいるわけではない。


私が心の中で1人で勝手にそう呼んでいるだけ。



人気者のユリさんは、私とは真逆の人間だった。


そんなユリさんに、実は私も密かに憧れを抱いてはいた。



みんなから慕われて、花に吸い寄せられる蝶のようにイケメンが寄ってきて。


私には絶対に経験できないようなキラキラと明るい世界にいる人――。



憧れてはいるけど、私とは無縁の人だからこそ苦手だった。


自分でも変なことを言っているのはわかってはいるけど。



3年間クラスが同じだったけれど、真逆な私たちが関わることはほとんどなく、話したとしてもクラスメイトとしての事務的な会話くらいだった。


ユリさんにとっては、きっとこんな私はクラスメイトAやBという位置づけどころか、Eくらいにしか思っていなかったことだろう。



母からのメッセージで、ユリさんならとっくにイケメンと結婚して、専業主婦生活なんかを謳歌してるんだろうな。


なんていう勝手な妄想をしてしまっていた。



実際のところ、ユリさんが今、どこで、なにをしているかは知らない。


でも、もう29歳だから、結婚くらいはとっくにしているような気はする。



きっと仕事に生きる私とは、これまた真逆の生活をしているのだろう。



こんなふうなメッセージが母から届くことはしばしばある。


母なりに、浮いた話が一切ない私のことを心配してくれているのだろう。



ただ、私にとってはそれが煩わしかった。



私だって、結婚に興味がないわけではない。


いい人がいたら、してみたいなとも考えてる。



そんな私に、1年ほど前に転機が訪れた。



アプリで出会った人と付き合ったや、友達がそれで結婚したという後輩の話を耳にした私は、なんとなくマッチングアプリに登録した。


初めてのマッチングアプリでよくわからなかったし、たいして期待もしていなかった。



しかし、私はそこで初めてマッチングした人とお付き合いすることになったのだ。



名前は、陽太(ようた)


大手広告代理店に勤務する27歳だ。



これまで数人と付き合ったことはあるが、みんな年上の理系っぽい人たちばかり。


それに比べて陽太は私の2つ下だが、私が経験したことのないような甘え上手の弟キャラだった。



それが私の母性本能をくすぐり、さらに猫好きの私にとっては陽太も猫のように思えてきて余計にかわいい。


おまけにイケメン。



前世で徳を積んだのだろうかと思うくらい、私史上最高の彼氏と今お付き合いしている。



今までは長く付き合っても半年くらいだった。


しかし、陽太とはこれといったケンカもなく順調に続いている。



この歳にもなれば、1年程度付き合って結婚というパターンも珍しくないし、もしかしたら私も…なんて考えは頭の片隅にはあった。



これで母にいい報告ができると思っていた矢先、3つ下の私の妹が結婚。


しかも、授かり婚というやつだ。



もうすぐ孫が生まれるとなり、母は今私のことなどそっちのけで、妹ばかりに世話を焼いている。



だから、結婚はまだか等の話はされなくなった。



もし聞かれたら陽太のことを話そうと思っていたけど、聞かれないのならそれはそれで助かる。


またおいおい話そう。



そう思っていた私だったが、ある日、とんでもないものを目撃してしまう。



その日、私は珍しく定時に退勤した。



「あれ?先輩、今からアポっすか?」


「ううん、今日はもう上がり。このあと予定があって」


「そうなんすね。お疲れさまでした!」


「お疲れさま」



オフィスを出たところですれ違った後輩と軽く立ち話をし、私は足早に会社を出た。



実は今日は、前々から陽太と食事の約束をしていた。


18時に時計広場に集合。



時計広場は、いつも陽太との待ち合わせに使う場所。


マッチングアプリで出会い、初めて陽太と会うとなったときの初めての待ち合わせがここだったから。



これまで陽太とは何度もデートをしたことはあるが、私にとっては今日は特別な日だと思っている。


なぜなら、陽太と付き合ってちょうど1年になる記念日だから。



いつもなら、会うとなっても急に決まることが多かったが、今回は1ヶ月ほど前から言われていた。


陽太がお店も予約しておくと言っていたから、どんなところか楽しみだった。



『律子ちゃん、結婚してください』



ふと、頭の中でそんな妄想をしてしまった。



でも、特別な日に食事となると、その可能性もあるんじゃないかと思わざるを得なかった。



私スーツだけど…、大丈夫かな。


ドレスコードが必要なお店とかじゃないよね。



陽太が現れるまでドギマギしながら待っていた。



しかし、約束の時間から10分たっても、20分たっても陽太は現れなかった。



…おかしいな。



私は陽太に電話をかけたみることに。


少し前から陽太は仕事が忙しいらしく、あまり連絡を取れていなかった。



だからこそ、今日の約束をとても楽しみにしていた。



久々の陽太への電話に、コール音が鳴っている間やけに心臓がドキドキしていた。



〈もしもし、律子ちゃん?〉



陽太が電話に出た。



「あっ、陽太。今、どこに――」


〈こんな時間に律子ちゃんから電話なんて珍しいね。まだ仕事じゃないの?〉



陽太の問いかけに、私は一瞬言葉に詰まった。



「…えっと。早く仕事終わらせて、今…待ち合わせの時計広場にいるんだけど」



私がそう言うと、まるで電話が切れてしまったかのように陽太からの返事がなくなった。



それで悟った。


陽太は今日の約束を完全に忘れていたということを。



〈ごめん、律子ちゃん…!オレ、そんな約束してたっけ…?〉


「う…うん、だいぶ前に」



少しだけ――いや、かなりショックだった。


もしかしたらプロポーズされるかもと思っていたが、まったくの私の妄想だったと気づかされて。



「私ならまだ待ってられるけど、今から陽太これそう?」


〈…ごめん!今から、クライアントと打ち合わせで…〉


「そっか。それなら仕方ないね」



悟られないように声のトーンには気をつけたが、内心ものすごく落ち込んでいた。



そのとき、陽太の声の向こう側から救急車のサイレンの音が聞こえた。


と同時に、私の目の前の通りを救急車が走っていく。



「もしかして陽太、今時計広場にいたりするの?」


〈…あ、いやっ……。……うん、まあ、クライアントとの待ち合わせ場所に使ってて〉



このどこかに陽太がいる。


しかし時計広場は広く、私たちのような待ち合わせに利用する人たちで溢れかっている。



いくら陽太もいると言っても、この人混みの中から見つけ出すのは非常に困難。


それにまだ仕事中みたいだし、顔を合わせたらきっと迷惑だろう。



〈…ごめん、律子ちゃん。相手の人きたから、電話切るね…!〉


「うん、わかった。私のほうこそ、大変なときに電話しちゃってごめんね。仕事がんばって」



そう言って、私は陽太との電話を切った。



約束を忘れられていたからといって、陽太を責めるつもりは一切なかった。


私も仕事が長引いて約束に間に合わなかったことは何度かある。



だから、お互いさま。



そう思い、家に帰ろうとした――そのとき。



私の目の前を通り過ぎた女性からフルーティーな香りが漂ってきた。


私好みの匂いで、どこか懐かしさも感じた。



思わず振り返ると、男性と腕を組みながら歩く茶髪のロングヘアをゆるく巻いた女性の後ろ姿があった。


フェミニンな女性らしいワンピースを着ている雰囲気からしても、香水の香りとお似合いだった。



あの男女のように、デートの待ち合わせをするカップルがここにはたくさんいる。


だから、あの2人もその中のうちの1組。



そう思っていたら、隣を歩くフェミニンワンピースの女性に顔を向けた男性の横顔を見て、私は息をするのも忘れて驚いた。



なんと、女性に腕を組まれてにやけた表情を見せながら歩く男性は――。


今日私が会う予定だったはずの陽太だったのだ。



今からクライアントに会うと言っていた陽太が、……なんで?


もしかして、あの隣の女性がクライアント?



いやいや。


腕なんか組んで、どう考えたってそんなわけがない。



私としたことが一瞬動揺したが、すぐに悟った。


そうか、私は浮気されたのだと。



意外と冷静に今の状況を分析することができた。



なぜなら、そもそも陽太みたいなモテるような人種が、私みたいな地味な女1人と付き合うはずもないのだから。


こんな私だから、浮気されるのにも納得がいく。



それにしても陽太、脇が甘いにもほどがある。


浮気相手とのデート日を、完全に忘れていた私との約束と同じ日の同じ場所で待ち合わせるだなんて。



浮気現場を目撃して、私は一瞬にして陽太への気持ちが冷めた。


このまま無視して、自然消滅させればいいだけのことだが、…それだけではなんだか癪。



せめて、文句のひとつくらい直接言っておかないと気が済まない。



「ちょっと陽太」



私は陽太たちのあとを追いかけて、後ろから声かけた。


すぐに振り返ったのは女性のほうだったけど、私はその女性には脇目も振らずに一直線に陽太を睨みつけていた。



私の声だとわかって、陽太がおそるおそる振り返る。


浮気現場を見られて、明らかにばつの悪そうな顔をしている。



「陽太くん、知り合い?」



フェミニン女性からの問いに対しても、黙ってうつむいたままの陽太。



「ひとつ言わせてもらうけど、べつに私は陽太に他に彼女がいたっていいんだよ?ただ、どうして私との関係を続けたまま、そういう中途半端なことができるのか私にはわからないって話で」



ただただキレ散らかすヒステリック女とは思われたくない。


でも他で付き合うなら、まずは私との関係にけじめをつけるべきだ。



「そんなふうに曖昧に物事を進めていると、いつか仕事でも同じ失敗をすることになるよ。陽太って、ちょっとうまくいったらすぐ調子に乗っちゃうところがあるから、そういうところは気をつけないと――」


「…あの、もうそのへんでいいですか?」



陽太が面倒くさそうにつぶやいて、私の話を遮った。



「さっきから説教じみたことを言ってますけど、勝手にオレのことを知ったような口ぶりで話さないでもらえますか?」



そう言って、陽太は私を鼻で笑う。



「…待ってよ。知ったような口ぶりって、私たち――」



反論しようとした私だったが、陽太は私ではなく隣にいた彼女に視線を向ける。



「ごめんね、びっくりさせちゃったよね。この人、前にマッチングして一度だけ会った人なんだけど、そこからしつこく付きまとわれてて」



それを聞いて、私は言葉を失った。



“一度だけ会った人”…?


“しつこく付きまとわれてて”…?



…なにそれ。


『律子ちゃんが好きです。付き合ってください』って言ってきたのは、陽太のほうじゃない。



陽太は私に謝罪するわけでも言い訳するわけでもなく、私とは赤の他人のフリを突き通そうとしていた。


敬語で話しかけてきたからおかしいなとは思ったけど。



「そうなの?付き合ってるわけじゃないの?」


「違う違う!オレ、そんなことしないよ。だから、この人の言うことは無視してくれていいから」



驚いたことに、すべて陽太のペースに持っていかれた。


まるで、本当に私が陽太の付きまといのような展開になっている。



…でも、これ以上私がなにか言ったところで事態がひっくり返るわけでもない。



このフェミニン彼女、よく見たら陽太が本当に好きそうなタイプだ。


ふんわりとしたロングヘアのかわいらしい年下っぽい女性。



それに比べて、私はいかにもバリバリ仕事してますよオーラのスーツを着た地味な女。



見るからに陽太とは釣り合わなさそうだし、『私が本当の彼女』と言ってだれが信じるだろうか。


…いや、この場のだれに信じてもらいたいというのだろうか。



せめて最後に――。



「てめぇ、ふざけんな。嘘ばっかついてんじゃねーぞ!」



と言って、陽太の頰に思いきりビンタを食らわせたかった。



…でも、もうどうでもよくなってきた。



「早く行こ…!じゃないと、ずっと付けてくるから」



陽太は彼女の手を引く。


そんな彼女は、私のことをじっと見つめていた。



私のことを憐れんでいる…?


それとも、変なオバサンとでも思って蔑んでいる…?



どちらにしても、こんな屈辱的な思いは初めてだった。


私は唇を噛みしめ、その場でうつむくことしかできなかった。



――そのとき。



「てめぇ、ふざけんな。嘘ばっかついてんじゃねーぞ!」



突如として、そんな声が聞こえて私ははっとして顔を上げた。


無意識に、私が心の声を漏らしてしまったのでは。



そう思ったが、同時にパァァン!という爽快感あふれる音まで鳴り響いた。



見ると、さっきのフェミニン女性が陽太の左頬に思いきりビンタを食らわせていたのだった。


あまりにも衝撃的な場面に、私を含め、周りにいた人々は足を止めて凝視する。



まさかとは思ったけど――。


とてもきれいとは言い難いさっきの言葉を発したのは、…あのゆるふわ彼女!?



さらにフェミニン女性は左頬を赤く腫らした陽太の胸ぐらをつかみ、私の前に投げ飛ばす。



「土下座して彼女に謝れ!それで許されるわけじゃないけど、今のあんたにはそれくらいしかできないんだからっ」



ギャップがありすぎるフェミニン女性に、周りはぽかんとしている。


陽太もこんな一面があるとは知らなかったのか、ただただ驚くばかりだったけど、彼女の気迫に圧倒され私に向かって情けなく土下座をした。



「…う、嘘ついて、…すみませんでした」



大勢の人の前で公開処刑された陽太は、それだけ言ってそそくさと立ち上がると、逃げるようにして走っていった。



「女バカにするのも大概にしろ!この、〇〇〇〇野郎!」



フェミニン女性は、そのかわいらしい顔からでは想像できないほどの暴言を最後に陽太の背中に浴びせた。



公共の場で、その発言…。


完全に、“ピーーー”が入るレベル。



…驚いた。


でも、それ以上に胸の中がスカッとした。



私が言いたかったことを、彼女が言ってくれた。


しかも、強烈なビンタまでお見舞いして。



だけど、…この人って陽太の新しい彼女じゃないの?


普通は、私なんかよりも陽太を優先するんじゃないの?



そう思っていると、フェミニン女性が私の方を振り返った。



「…こめん!わたし、やりすぎちゃったかな!?」



まるで彼女は怯える小動物のようで。


同じ女の私から見ても、とってもかわいらしかった。



だから、あんな言動をした人だとは未だに理解しがたい。



ただ私とは真逆の人種で、勝手に第一印象から苦手意識を持っていた。



「で、でも…、どうして私なんかの味方に?」



こんな会ったばかりの地味なサボテン女、庇ったところでなんの意味もないというのに。



――すると。



「当たり前じゃん。葉加瀬さんが嘘つくわけないんだから」



そう言って、フェミニン女性はにこりと笑った。


しかし、私はドキッとする。



「えっ…と、私…名前言いましたっけ…?」



おそるおそる尋ねるわたしを見て、彼女はクスッと笑った。



「葉加瀬律子ちゃんだよね?あれっ、気づいてない?わたしだよ!」



と言って、自分を指さすフェミニン女性だけれど、わたしは難しい顔をして首をひねる。



…知らない。


こんな年下の女の子。



そう思ったけれど、私の頭の中でなにかが駆け巡った。


思い起こされるのは、高校生のときの記憶。



「もしかして…」


「思い出してくれた?わたし、小花ゆめ!」



そうだ。


このゆるふわな髪と女性らしい振る舞いで気づくべきだった。



彼女は、高校のとき一番モテていた女の子。


私とは真逆の存在。



そして、私が最も苦手な人――。

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