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デッド・ハイツ〜死ぬほど愉快なアパートに引っ越してしまいました〜  作者: はしたか みつる


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エピソード4:心霊少女の魔払い教室 / 5

 影が伸びる。2人分、等しく。八重の家、高木家には複雑、そして、怪奇とも言える事情があった。ことの始まりは、八重がまだあまりにも幼かった頃。八重の父親は、八重とその姉の母親に殺された。悪意、害意、殺意なんてカケラも無かったそうだ。死の間際、八重たち姉妹の父親は言ったそうだ。母親を咎めてはいけない、と。


 母親は罪に問われることは無かったのだという。八重とその姉を置いて、警察に捕まるわけにいかなかった。全て包み隠した。そもそも、事故のような形で亡くなった八重たちの父親の死は事故だと言われればそうなってしまうようなものだった。しかし、それから数年後。父親は生き返った。地獄で、幽体に特殊な肉付けをして。


 そして、八重とその姉は父親に引き取られることになった。超の付く霊感体質の八重が、だ。それでも、八重は言う。父親のことは好きだ、と。



 「パパ……えっと、お父さんはラップ音が煩いだけで、良い人なんです」


 「……八重ちゃんみたいな良い子を育てられるんだから、良い人なんだろうな」


 「そのうち、お父さんに飯山さんを紹介させてください。アイスのお礼、しなきゃ」



 デッド・ハイツまではあと少し。夏の夕方は嫌いじゃない、汗ばむけど。そんなことを思いながら、和茶は八重の父親のことを考えた。肉体のある幽霊。もはや人間と呼んだ方がいいのではないか、と思う。しかし、幽霊は幽霊なのだろう。八重の話の中に、対魔は効いちゃうんです、というものがあった。塩も駄目なのだろうか。


 美嘉子の時も塩のことを聞いた気がする。八重にも聞いてみようか、父親は塩を摂取出来るのか。



 「なぁ、八重ちゃん。お父さんは塩って摂取出来るの?」


 「あ、全然大丈夫です。どういうことなのか、私にも分からないですけど」


 「咲田さんはアルコールしか摂取出来ないらしいけど、生首だからかね」



 そんな話をしているうちに、デッド・ハイツに着いた。和茶は八重にお礼を言った。お陰様で、除霊もしてもらえたし、清め塩も貰えた。早速、夕食に入れてみようと思う。和茶は隣室の八重をきっちり玄関まで送り、自分の部屋へ戻った。すると、扉のポストに何かが入っているような音がした。何か確認してみると、サークルからの便りだった。


 <夏の一大イベント・墓場荒らし>の案内。和茶はその場で便りを破り捨て、夕食の準備をすることにした。清め塩の焼き鳥でも焼いてみようか。


 墓場荒らしなんて単語、俺は見ていない。和茶はパワーワードを頭の隅っこに追いやった。

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