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デッド・ハイツ〜死ぬほど愉快なアパートに引っ越してしまいました〜  作者: はしたか みつる


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エピソード4:心霊少女の魔払い教室 / 3

 近くのお寺は「恩望寺」というお寺だった。八重は木々の間を縫うように歩いて、お寺の本殿へと向かう。和茶もその後を付いていく。せっかくお寺に来たんだから、魔除けの類を貰えないか。和茶の思考は、咲田と交流があっても、美嘉子と交流があっても、そう簡単に変わらなかった。幽霊やゾンビは怖い。それが正直な気持ちなのである。


 顔を見知っているとはいえ、おっさんたちに取り憑かれているのも怖い。ただ、咲田にも美嘉子にもおっさんたちにも、情を抱いていないわけではない。それでも、怖い。そんなことをぼんやりと考えながら、和茶はお寺の階段を登る。八重は先行しつつ、たまに和茶を振り返る。そして、謎の印を切る。和茶は何故か、首が痛くなってきた。



 「……八重ちゃん、正直に言ってくれ。俺に何か起きてないか?」


 「あの……。おじさんたちに反応して、隣りの墓地からおじさんたちが集まっていて……」


 「俺、このままで大丈夫?」


 「……」



 和茶の問いに答えない八重。不安を募らせ、絶望すらする和茶。そんな2人の元に、派手な袈裟を着た男が現れた。何処から現れたのか、全く分からない。その男は、坊主頭ではなく青い髪を長く伸ばしていた。そして、タバコを吸いながら、サングラス越しに和茶を見て笑っていた。いや、嗤っていた。和茶の気分はさらに降下する。


 八重はその青い髪の男のことを、縁利さん、と呼んだ。縁利と呼ばれたその男は、たった一言、南無、と言った。すると、和茶の痛かった首は治ってしまう。八重はホッとした顔をしていた。どうやら和茶は救われたようだ、青い髪のお坊さんに。袈裟の袖の中から携帯灰皿を取り出し、タバコを捨て、派手なお坊さんは和茶に近付いてくる。



 「元から憑かれやすいのに、デッド・ハイツなんて霊の溜まりやすいところに住んじゃうなんて、不運な男ねぇ」


 「……オネエさん?」


 「縁利姉さん、でいいわよ。今のお祓いは、初回だからタダにしてあげる」



 そう言って、縁利はお寺の本殿へと歩いていく。このまま帰っていいものだろうか。八重にアイスも奢らなければいけない。だが、縁利という「レディ」なら、魔除けの1つや2つ、簡単に提供してくれそうな気がした。和茶はそういった思考の元、縁利に付いて行くことにする。八重もそうするようだった。日は、少しだけ傾いた。

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