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デッド・ハイツ〜死ぬほど愉快なアパートに引っ越してしまいました〜  作者: はしたか みつる


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エピソード3:お盆の過ごし方 / 4

 夕方。酔っ払いのお客さんたちは肩を組んだりしながら、スナックを出た。その頃には、和茶も、ママも、酔い潰れたいほど疲れていた。そして、和茶の頭には嫌な考えが浮かんでいた。今頃、街の中心では盆踊りが催されているはずだ。その時間に合わせ、帰った客。リクエストはお経。……嶺想寺に聞かずとも、答えは出ていた。



 「……ママ、俺、帰っていいスか」


 「あ、そうね、夕方ね!今日は本当にごめんね!?」


 「……や、デートまで家にいても似たようなものだったんで」



 和茶はリュックを背負い、一度、デッド・ハイツに帰ることにした。デートをするのに、謎のTシャツを着て行くのは気が引ける。相葉とペアルックなのだが、そこそこオシャレなシャツがあるのでそれに着替えたい。和茶はママに挨拶をし、店を出た。駐輪スペースに停めた疾風丸に跨って、一香に電話を掛ける。一香はすぐに出てくれた。



 「もしもし、俺だけど」


 (用事、終わったの?)


 「うん、緊急のバイトだったんだわ。どっかで待ち合わせる?」


 (じゃあ、盆踊りの会場がいいな)



 ……希望されてしまった。盆踊りを。和茶の願いは1つだった。会場であのお客さんたちと再会しませんように。しかし、そう願うことはフラグを立てる行為だと和茶は心のどこかで分かっていた。アパートに戻ったら、鏡に貼ったお札を剥がし、持って出る。そう決め、和茶は疾風丸を再び立ち漕ぎした。風が生温い。まだまだ日は落ちない。


 デッド・ハイツに着くと、丁度、嶺想寺が掃き掃除をしていた。和茶は嶺想寺に、悪霊退散以外のお札を貰えないか、打診しようかと考えた。あのお客さんたちは悪霊では無いので、何だか失礼になる気がしたのだ。嶺想寺は朝のことを気にしている様子はなく、おかえり、と笑ってくれた。遠くから、盆踊りの音が聴こえている。

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