腐った桃
どろっとして、ぐちゅぐちゅになった果実があった。
その果実は、地面と接触した部分から白く、黄緑色のような液体をドロドロと垂れ流していた。
その液体からは、異様な臭いと独特な空気を発していたように見えた。
まるで、まるで、今、この時を生きたいと言わんばかりの呼応のように....。
その液体の周りには、小さな虫たちが集い始めると、それを奪うかのように小さな戦争が起きた。
小さな小さな虫たちの戦争が、強く強く、そして徐々に荒くなっていった。
そうしていくうちに、また木の上から腐った桃が虫たちを直下するのでした。