境界のフェアリー prologue~chapter1
☆登場人物
○主人公
フェアリーエル・クロス
(愛称をいれてね!)
○ライバル
リリー・ダナー
☆☆☆☆☆☆
Prolog
光は左手、闇は右手に。
間違えてはいけない。
善悪は、常に自分の手の中にあるということを。
学校の帰り道、不思議な色の猫に導かれるようにたどり着いた森の中の教会。教会の扉を開けるとそこは見慣れない山奥だった。
スマホも電気も無い毎日。信じられない出来事にただ泣いていた私。でもしばらくして、ここがある乙女ゲームの世界だと気がついたの。
~境界のフェアリー~
chapter-1
異世界から召喚された主人公。人々を現代知識で助け、横暴な貴族たちのアンフェアと戦いながら、4人の攻略対象と出会う恋物語。
森の奥、小さな小屋にたどり着いた主人公は、ひっそりと暮らす貧しい木こり夫婦と出会う。そこで主人公は様々な現代アイデアを使い、彼らを貧困から救うのだ。
魔物から取り出せる光石を境会に持っていくと、そこで人々の暮らしに役立つ電化製品が作れるよ!
スタートは黒の領地ダナー。
集めた光石で電化製品を作り出し、裕福な暮らしを手に入れた木こり夫婦と主人公。恵まれない孤児達を屋敷に迎え入れ、人々からは聖女として噂され始めた。
☆
「フェアお嬢様!」
穏やかな陽射しの午後。食後のお茶を楽しんでいたフェアの元に、飛び込んできたのは血相を変えた召し使いだった。
「旦那様がっ、連れ去られてしまいました!」
「誰がそんなひどい事を?」
買い物を楽しみに出掛けた養父。その突然の悲報に、フェアは意味が分からず立ち竦む。
「ダナー家の、令嬢が、突然、」
「ダナーって、まさかリリー・ダナーのこと?」
蒼白になった養母をなだめ、思い詰めた表情で自室に向かう。
「ついに来ちゃった、主人公のライバル」
異世界を訪れて一年。心当たりのある人物名に、フェアは頭を振って手帳を取り出した。
「まだ学園に入学してないのに、早くない?」
この国の名前がスクラローサだと知って、まず攻略した恋愛ゲームの記憶を書き記した。
「やっぱり本当なんだ。…悪役っているんだ。〔境界のフェアリー〕主人公を苦しめるライバル、リリー・ダナー。…マジ怖い」