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リリー10 (十五歳)

 


  午後のティータイムの前に立ち寄って、お庭に向かうマミーの背後にダーレダって飛び付いた。


  「リリー、」


  驚いて振り返る美しいマミーは、光を浴びて絵画のよう。キラキラ、まぶし。


  一緒に行こうと手をつなぎ、お茶会にゲスト参加させてもらい、知り合いのおば様たちとおやつをつまむ。


  そこでさりげなく切り出した学園ライフ。私も来年からなんだよね? って言ってみたら、なんとその場の空気が凍りついた。



  アレ、ナンカ、マズイコトイッタ?



  その後のお茶会は気まずい感じでお開きになり、なんと、夜はご飯の後に家族会議が開かれることに。


  あちこちに出歩いてて、最近は遭遇率低めのレアキャラ、上の兄貴までそろってる。


  ヤバくない?


  これ、


  つるし上げられるんじゃない?

 

  そんな物騒な事を内心では考えていたけれど、つるし上げられることはなく、むしろ学園ライフについてのあれこれを話し合い、結局、なんで行けないのって、私が大騒ぎして皆を困らせて終了した。


  さすが悪役。家族を困らせるのはお手のものである。


  「……」


  過去世でも、間抜けな悪役(わたし)のミスにより、二人を困らせてしまった事を思い出した。


  現在世では、より慎重さが求められる。


  あと少し気になる事は、乙女ゲームに必須の学園ライフを無視した場合、よくあるゲーム補正とかはあるのかな? ということだ。


  学校行かない方が、生存率は上がるんじゃない?


  そう考えてもみたけれど、補正により、無理矢理登校させられるよりも、自分から動いて、状況を見てみないとなんにも出来ないし。


  それにもし私が抜けたことによりの、よくあるあるは、他の代役が発生していたり…とかも。


  そこもどうなってるのか気になるじゃない?


  それならこっちからひっそりと、目立たないように紛れ込むのもありじゃない?


  結局は、やっぱり異世界学園に、


 行ってみたいだけじゃない?


  強権力を背負った私は卑怯にも、絶対に虐められない自信がある。


  「おほほほっ」て、パピーの権力を振りかざして、学園番長にメンチ斬ることも出来るんじゃない?


  悪役だからこそ、やってみたいことは山盛りある。


  ふんすっ。


  はしたなくも、握りこぶししたら鼻から闘志がもれ出た。今日の警備員はマナーにうるさくない方だけど、定期的にお愛想だけはふっておこっ。


  にこっ!


  「……」


  イケメンは、無言で微笑んでうなずいた。


  私のレディーマナー違反は、無効化されたのを確認した。


  今日の警備員はローデルートさん二十一歳のイケメンだ。彼の実家であるグラン・グラス家はマミーの実家でもある。


  つまり、マミーの兄弟の子供。私とは従兄弟関係にあるローデルートさんは、黒髪で碧目の一族だ。


  グレているけどイケメンだと自負している、メルお兄さまより、なぜか雰囲気はクールなグレイお兄さまにとってもよく似ている。


  こんなところに立たせておくのが惜しいほどのイケメンぶり。


  繁華街をふらついただけで、スカウトされちゃうんじゃない?


  きっと彼にもお兄さまたちと同じく、やることが山ほどあるのだろうが、そこは強権力を持つ我が家の圧力に屈してしまっている。


  最初から大人もいたけれど、私と共にすくすく成長している警備員たち。日替わりではあるけれど、スマホも無しに長時間、いつも私の監視をさせて、彼らの時間を無駄にしている。


  だからこそ、なおさら私が入学して、彼らを解放してあげなくてはね。


  (とりあえず、ヒロインに出会したって、なんとか逃げる方法もあるかもしれないかもしれないのだし。ヒロインと話が合えば、平和に過ごせるかもしれないし)


  前向き。


  ふんすっ。


  がぜんやる気が出てきた私。


  その日から、学園ライフの入学の手続きを、あれこれ検索してみることにした。




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