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境界のフェアリー chapter1- 2

 


  ☆


  養父がリリーに拐われてから数ヶ月。彼は未だに帰ってこない。


  その間、私は今まで貯めた石を境会に渡したり、便利グッズの提案をしたりと、忙しい日々を送っていた。


  だけどここは乙女ゲームの世界だから、ダナーで出会う攻略キャラを探しに、積極的に街に出なきゃならない。


  ダナーで出会うのは、ライバルのリリーのお兄様であるグレイ様。彼との親密度を上げるには、まずは弟のメルくんが必須なんだけど、何度も噴水広場に足を運んでも、ぜんぜん出会える気がしない…。


  ゲームでは、メルくんは常に噴水広場をうろついていたのに…。


  日課になった噴水探索。だけど少し路地に入ると、いつもテンションが底まで落ちる。


  異世界は全体的に生活水準が低くて治安も悪い。そして可哀想な子供が多く、彼らは路上で小銭を稼いでいるんだ。


  「見てるだけで辛い」


  だから私は街ぶらでは貧しい子供をゲットして、家に連れて帰ってご飯を食べさせる。そうしたら、なんだか周りが私のことを、聖女だってあだ名で呼び始めたの。


  (これが異世界補正ってやつ? 聖女って、なんか恥ずかしい…)


  でも人助けって良いことだよね。だから今日も、メルくんを探しつつ、貧しい子供をゲットしに噴水広場にやって来た。


  ーードンッ。


  「きゃっ、」


  固いなにかにぶつかった。


  「いったー…、」


  「………」


  派手に転んだ私が見上げると、路地裏から出てきてぶつかったのは、灰色のマントの男の人。


  「あ、すいません、」


  「………」


  あっちがぶつかって来たんだけど、もちろん直ぐに謝った。だって首にタトゥーが見えた怖い系。しかもすっごい目つきで睨まれた。怖い。


  無言で立ち去った怖い系。絡まれなくて、良かった…。


  「お嬢様、境会の方がいらっしゃいました」


  「はーーい」


  しばらく街ぶらしたけれど、今日は子供もゲットできず、今日もメルくんには会えなかった。


  まあでもとりあえず、これから始まる学園生活のために、先にミニゲームをクリアしといて、恋愛はお楽しみにとっておこ!


  攻略キャラは四人、せっかくだから、目指すは全員コンプリートだよね!




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