華
ペンを持ち上げノートの上で筆を走らせる
先には光
後ろからは焦燥が追いかけてくる
息が荒くなりペンが重くなった
身体が重くなっていく
気づけば黒く冷たい鉛が液状に絡み付いて胸を貫いていた
だんだん心も冷たく重くなった
少しずつ机にも座れなくなっていた
私は暗い気持ちで横たわっている
それでも空は晴れている
彼らは今日もペンと一緒に紙に向かう
彼らは筆を走らせる
彼らの胸には熱い何かがある
私は重い身体を引きずりそれをよく確かめた
夢だった
私が焦って見失っていたもの
それに触れると様々な夢がふわりと咲くように現れた
最後に私の中から夢が浮かんだ
その中で私は誇らしげに微笑んでいて
鉛は消えていた
私は立っている
空は晴れていた