城からの脱出
誤字脱字があったら教えてくれると嬉しいです
心side
一体どういう事だ?
心は自分の体を見た 大きな胸に 高い身長 くびれたお腹はうっすら腹筋が割れていて金色のビキニアーマーのような鎧を着ている
このキャラは間違いなくTS online のキャラクターレオニダスである
TS online のキャラクターは全員スキルをレベルマで10個持っておりそれぞれの逸話によった必殺技を1つ持っている
レオニダスの必殺技はファランクス、スパルタ族に伝わる戦闘時の型の1つであり、効果は防御力とHPの回復、そこまで強力ではないがレオニダスのスキルと組み合わせることでゲーム内最高峰の耐久力を持つ
また、素の攻撃力が高いため長期戦となるとピカイチのキャラであった
ここまでヤケクソになって来てしまったが俺自身にもよく状況が理解できていない
一体ここはどこなのだろうか、そして何故TS onlineのキャラで今動き回っているのか、一体落ち着いて状況を整理したい所だが 今後ろからは 武装した騎士のような格好をした人たちが追いかけて来ている
まずは逃げなくちゃ そうしないとさっきみたいに 恐ろしい目にあうかもしれない
心は恐怖から身震いをすると全力で走った 元の体でわありえないほどのスピードであり、まるで重力が半分になったかのように体は軽い
追っ手との距離はぐんぐん開いて行くが、城の中のため、どこに行けば出られるかがイマイチわからない
「そっちに行ったぞー! 挟み込んで捕まえろ」
その声を聞いた別の騎士たちが道に回り込み心の前に立ちふさがる
完全に心は警戒されており追手の人数は続々と増えて来ている
やばい! 数が多すぎてさっきのタックルじゃ押し取れない
目の前の騎士は軽く20人はいる 後ろからの追っ手はさらに数が多い
レオニダスは優秀なキャラであるがスキルや必殺技が耐久に特化しており 複数体との戦闘には向いていなく
一対一での耐久戦に向いている
もしかして、キャラクターがまた選べるんじゃないか?
もしそうだとしたらこの窮地もなんとかできる 考えてても仕方ない こうなればヤケだっ
「キャラクターセレクトッ」
心は大声で叫んだ
「キャラクターを選択してください」
時間が止まり目の前にキャラクターセレクト画面が開かれる
やった!キャラクター選択ができるっ
心は素早く複数体との戦闘に特化したキャラを選ぶ
選択したキャラはジャンヌダルク かの有名な百年戦争の英雄であるが、もちろんtsされている
選んだ瞬間心の体はぐんぐん大きくなり
最終的にそこには身長190cm程の金髪の大男が立っていた
がっしりした体つきではあるがゴリマッチョというほどではなく細マッチョといった感じであり
優しげな目をしたどこか落ち着いた印象をした男だった
追手は驚いた様子をしていたがすぐに気を取り直すと心を捕まえるように指令を出す
殺さないように縄や鉄の棒を持った男たちが大男にむかう
心は剣を鞘から抜かずに一振りした その一振りで3人ほどが吹き飛ばされ壁に激突する
姿は変わってもやはり心はただのサラリーマン人を殺すのには抵抗がある
そのまま窓の方へ走り剣で窓を割り外に飛び出した
高さはビルの4階ほどであり普通ならば怪我どころでは済まない しかし今のこの屈強な身体はその程度ではビクともしない そして偶然心のおりた先からは正門が見えていた
「そいつを外に出すなっ 最悪殺しても構わん!」
もう追手もなりふりを構っていられず割れた窓からさけんでいる
外に出られるよりは能力があっても殺してしまったほうがマシだという考えなのだろう
だが今の体の心に周りの騎士たちが追いつけるはづもなく正門の前で警備していた騎士を軽々と蹴り飛ばしそして高さ5mはあろうかという正門を飛び越え城外に消えていった
「すぐに追え! 見失うなっ 」
騎士の1人が叫びそれに従うように他の者たちが心を追って場外に出ていった
「えらいことになったぞ・・・」
城から出て行く一部始終を見ていたガイドは頭を抱えていたがすぐに追手の部隊を編成するように命令をだした
再び正門の外を見るがそこには心を追う騎士たちの姿しか見えなかった
どうにか追手をまいた心は近くに見つけた民家の庭に入り込み 今置かれている状況を整理していた
まずここがどこなのかを知らなくては 、間違いなくVRではないいくらVR技術が進んでいるからといって痛みや今感じている風の冷たさなどを再現してはいなかった
そしてもしこれがよくネットでよく見た異世界転移というものなら帰る方法とそれが見つかるまでの生活についてかんがえなければ
この能力についても不明点が多すぎる
とりあえず今は夜中だし明るくなるまで待とう
心は民家の扉のところまで行きとりあえず一泊させてくれないか頼もうとした
しかし、そこで自分の姿が今ガタイの良い大男だということを思い出した
まずいっ 流石に深夜に大男が尋ねて来て一泊泊まらせてなんて言われて泊まらせてくれるほど肝の座ったものは中々いないだろう
キャラクター選択をしてふさわしいやつにするしかないか・・・
だがTS onlineのキャラクターは女性が多くしかも全員が恐ろしいほどの美女である
さっきの様子から見ると襲われても貞操の心配はないが 欲情した男に襲われるなんてトラウマになりかねな い
男キャラはジャンヌダルクのような屈強な姿のが多い
また屈強でない男キャラもいるがスキル上の問題で使いにくい
そうだっイベントで手に入れたばかりのかぐや姫がいるじゃないかっ
心はそうと決めるとすぐにキャラクターセレクト画面を開いた
???side
深夜、寝る前に戸締りができているか確認しに来たシスターは扉を叩く音を聞いた
警戒しながら扉を開けるとそこには泥だらけの服を着た人形のように綺麗な顔立ちをした子供がいた
(かわいい・・・)
今の状況も忘れ見入ってしまう程その子は美しかった
「あの・・・」
「あ、えっとこんな時間にどうしたのかな?」
子どもの声にハッとなり問いかけた
「一晩泊めてもらっても良いですか?」
ここは教会であり身寄りのないものを一時的に泊めたりはしている しかし身元をはっきりさせたあとでないと泊まる事は出来ない
さもなければ他国のスパイや逃亡中の人間の溜まり場になってしまう
「何か自分の事が証明できるもの持ってないかな?」
「持ってたんだけど向こうで財布と一緒に取られちゃった」
とスラム街の方向を指差した
「お父さんとお母さんは?」
「僕が生まれてすぐに死んじゃった」
「そう・・・いいわ今回は特別に泊めてあげる 」
規則違反ではあるが目の前の子供をそのまま外に出しておく事はシスターには出来なかった
だが、それよりも第一にこの可愛らしさによってすでにシスターは陥落していた
「わぁ〜、ありがとうっ おねいさん」
目の前の少年は太陽のような笑顔でそう言った
(可愛すぎる・・・!)
あって5分でシスターは目の前の少年にデレデレだった