イベント攻略後ってなんか寂しいよね
2118年 7月 日本の某有名企業から発売されたVRソフト「Trans Sexual online」訳して「TS online」と呼ばれるソフトは名前どうり歴史上の英雄や神話や古典文学のキャラクターがTSし、そのキャラクターをガチャで引きレベルを上げて戦うRPGゲームである。
全500を超えるキャラクターにキャラと装備、衣装の2つのガチャシステム、そして有名シナリオライターが書いた重厚なストーリー、さらに最高峰のグラフィックにより莫大な人気を持つゲームであり、発売から5年経った今でもその人気は衰えていない。
キャラクターは星5キャラ50隊、星4キャラ100隊、星3以下のいわゆるノーマルキャラが350隊ほどとなっており、装備や衣装に関しては攻略サイトですらその数を把握できていない。
その「TS online」に廃課金をする、プレイヤーは数知れずこの物語の主人公、鈴木 心もその一人であった
「よっしゃーイベント完走したー!」
心は月見イベントを1週間というプレイヤー内でもトップクラスのスピードでクリアした
それは心のpsが高いからというわけでわなく単に使っているキャラクターが異常なほど強いからだ。
仕事で稼いだ金をほとんどこのゲームに使い込み、おかげで星5キャラとイベント配布キャラは全て持っているというまさに廃課金プレイヤーだ。
「今回のイベントの配布キャラのかぐや姫、可愛すぎるだろ」
画面には配布キャラのかぐや姫、黒髪、黒目の中世的な顔だちをしたキャラが映っていた
「いや、違う、俺はホモじゃないただ男の娘を性的な目でみているだけだっ」
「早速、レベル上げよっと」
心の星5キャラは全てレベルマスキルマであり配布キャラも同様である
「明日は休みだし徹夜でレベル上げだっ」
「だいたい終わったかなぁー」
つぎの日の昼過ぎにレベル上げとスキル上げ終わっていた
TS online はクエスト中にキャラを3体選んで連れて行き戦いに応じてその中からキャラ選択をしたり1体が力尽きたら後ろのキャラが出てくるようなシステムのため、キャラを沢山持っていなければならない、そのためレベル上げは簡単にできるようになっている。
「飯でも食うか」
戸棚のカップラーメンでも食べようと椅子から立ち上がり
その前に部屋の換気をしようとベランダに出た
俺はベランダから外を見た
大勢の大人達が足早に駅に向かっている
もはや今の時代、土日が休日という概念は存在せず休日は昔と比べてかなり少なくなっている
だが、仕事があるだけ俺はマシだと俺は思った
機械技術の発展で仕事は減って来ている
失業者も増えている
どんどん人によって作られた社会は人が住みにくくなっていた
リアルの事を考えてしまい憂鬱な気持ちになりついボソリとつぶやいた
「どこか違う世界に行きたいな」
もちろんそんな事は無理な事は分かっているがそう呟かずにはいれなかった
しかし、部屋に戻ろうとした時、俺は光に包まれた