羽化
『――――――キミは、覇王だ。』
――――あぁ、知ってるよ。
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「じゃ、最後に。覇王カテゴリーの道系統ってのは、何だ」
そこが一番謎だ。
『ウン、やっぱり流してくれないよねぇ・・・』
「当たり前だ。なんだかんだ言って、覇王云々のほうはそれなりに予測できる。
だが、こっちのほうは字面から全く予想がつかない」
『わかった、わかりました説明しますよぉ。
覇王カテゴリーの呑み込むチカラは、既知の概念にはより強く作用するんだ。
だから、呑み込むチカラに呑まれない者も存在し得る。』
・・・なら、存在すら知らなかったペトルス何某は、呑まれやしないのではないだろうか?
『だけど、唯一、道系統だけは違う。
ところでキミは、言霊、という言葉を知っているかい?』
「・・・名前だけなら。」
『なら詳しい説明は省こう。
言霊とは、言葉に宿った魂、意志ある言葉を指す。
そして、[道]という言葉には、隠された意味、意思がある。
同音異義語によるダブルミーニング。
これ即ち、総ての概念の出発点。――――未知だよ』
なんか、大層な話になってきたなぁ・・・。
『そのために、覇王カテゴリーの道系統は、
既知・未知を問わず、全てを呑み込むのさ。』
・・・これ、悪食って言われてる?
『いやいや。せいぜいブラックホールくらいだから、安心しなヨ!』
これ以上ないほど胡散臭いうえにそれ、安心させる気、皆無だよなぁ!?
『―――それで、どうする?ペトルス君、呑んじゃう?』
「よくわからんが・・・、呑もうかと」
『オッケー、了解、承知致しましたぁ!』
《重力神ペトルスの意思の消失により、新たな重力神になりました》
・・・ゑ?
《[称号:神喰らい]を獲得しました》
《条件成立により、重力の軛から解放されました》
《人類の枷から解放されました》
《神界制限が解放されました》
《[スキル:封印]と[スキル:我が道を行く]が併合されました》
《[スキル:覇道]を獲得しました》
《スキルの併合により、自己存在内に自己宇宙論的世界が生成されました》
《霊格の著しい向上に伴い、レベルが上昇しました》
《レベルが999上昇し、レベル1000になりました》
《条件成立により、ギフトが付与されました》
《条件成立により、[称号:格上殺し]を獲得しました》
「・・・おいコラ、クリュ。お前の軽はずみな提案のせいで、なんかおかしなことになったぞ」
『いや、ボクのせいにしないでよ!?』
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