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生きる道を統べる王《凍結》  作者: モダンジャズ昆布茶
序章
3/33

暗闇、暗闇、暗闇



「……は?」


 瞬間、暗転する。

 暗く閉ざされた、世界。


 暗闇、暗闇、暗闇


(え、なにこれ怖い)


 歪んだ浮遊感。唐突に声を感じた。


 ───《スキル:我が道を行く》を獲得しました。


 (・・・もう、なんでもいいよ...)


 理解不能に呑まれ、これほどに自我を保っていることが異常なのだと、啓は理解できない。

 常人の要素を備えながら異常。それは、異常が世界に適応したことを示す。しかし、自覚は無い。

 常に自然体であるが故に、自らの異常性に気が付くことは、無い。 


 ────それはさながら、無知な赤子が、善悪なき無垢であるが如く。


 闇に呑まれた世界に変化はなく、啓にも何ら変化はない。

 無変革の鬩ぎ合い、という矛盾。あるいは、根競べか。

 停滞した世界。先に根をあげたのは────



 『全く、キミは強情だなぁ』



 ────そのどちらでもなく、存在しないはずの第三者。


 即ち、紫乃宮啓の中に巣食うカミの残滓。その、意思だった────。








 「強情は、俺にとっては褒め言葉だな」


 『いやいや、もっと他に言うことあるでしょ!?』


 「例えば?」


 『お前は何者だぁー、とか、姿を現せー、とか』


 「自意識過剰だな、俺はお前に興味はない!」


 『キッパリ言い切った!?』


 自分以外には無頓着かつ横柄である。

 とてもさっきまで

 (え、なにこれ怖い) だの

 (・・・もう、なんでもいいよ...) だの

 考えていた男とは思えない対応である。


 「さっきから騒がしいな。暗いせいで何処に蝿がいるのかも分からん」


 『ボク、蝿扱いぃ!?』


 「・・・」


 『せめて何か言って!?』


 「ヤダァー、セルフで漫才してるぅー。・・・ボッチめ」


 『セルフじゃないよ!君がボケてんだよ!

  アタマおかしいやつみたいに言わないでよ!あとボッチじゃないよ!!!』


 哀れ、カミはすでに、啓のペースに乗せられている。

 完全にオモチャである。


 「そんなに大きな声で、どうされました?あ、交番はあちらです」


 『不審者でも犯罪者でもねーよ!』


 「おーい、似非ボクっ子ー。語尾乱れてるぞー」

 

 『八ッ!?・・・ボ、ボクはボクだよ、ナニイッテルノ?』


 「さっさと要件話せ」

 

 『理不尽スギィ!?はぁ、────とりあえず、()()()()()()()


 姿無き声は、ようやく本題を切り出す。



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