表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生きる道を統べる王《凍結》  作者: モダンジャズ昆布茶
一章:レガリア王国編 第一部
13/33

酒場のオッサン、正しくはマスター

今回、クリュトゥスほぼ出番ないです。



 あの後、すぐにギルドは見つかった。確かにギルドは見つかった、のだが・・・


 「誰も、居ねぇ・・・」


 「スッカラカラカラーン、だね・・・」


 ・・・無人、だった。

 いや、正確に言えば無人ではない。ギルド内に併設・・・、否、規模を考えればこちらにギルドが併設されている、というべきな酒場。そこのカウンター裏で店主らしき中年の男が無言でジョッキを磨いている。


 ―――グラスちゃうんかい・・・。


 とりあえず、斜に座り、声を掛ける。


 「あんた、少し聞きたいのだが、いいか?」


 「んぁ?・・・あぁ、構わん。何だ?」


 ジョッキを磨く手を止めず、目だけをこちらに向けて、億劫そうに返す店主。いや、マスター。


 「なぜ、これほどまでに人気(ひとけ)がない?」


 「あー。そりゃ、あれだ。調査に駆り出されてんだ」


 「調査?何の?」


 「森のに決まってんだろ?上のほうじゃなくても知ってるぜ?

  深部の御柱が突然、忽然と消え失せたって話は」


 突然、忽然。随分と語呂がいい。覚えておこう。


 しかし、だ。この話は十中八九俺たちが関わったものだろう。ならば、話すわけにもいかない。が、急に話を切るのも不審がられる。万が一にも気取られてはならない。となれば、



 「いつ頃、受付は開くと思いますか?」


 話の流れを、無理のない方向へと流す。


 「もう開いてらぁよ。表に居ねぇだけだ」


 そう言って、建物の真反対、ギルド側のカウンター、その奥の扉を顎で示す。よく見れば、微かに灯りが漏れている。・・・ならばここに用はない。あちらに行こう。


 「そうか、助かった」


 「ありがとー!オジサン!」


 クリュ、それは思っても言っちゃダメだ。


 マスターは気にする様子もなくジョッキ磨きに取り掛かっている。

 ・・・違うわ。髪撫でてるわ。メッチャ気にしてるわ。


 スマン、と心の中で謝罪して、足早に立ち去る。


 


 後日、マスターが23歳と聞き、どれだけ老け顔なのかと驚愕した。

 

 


気に入ってもらえたなら、コメント・メッセージ・ブックマーク・評価、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ