上空、そしてエロティズム
あの日から、更に数日後。彼らはようやく気付いた。
─────上から街、探せばいいやん、と。
方法としては、2つ。重力操作で重力を弱くし跳ぶか、マイナスで重力を反転させるか。
二人共、成層圏あたりでも余裕で生存可能てあるため、今すぐにでも試行可能だ。今更ではあるが、完全に人間を辞めている。・・・実際、既に人間では無いのだが。
だから、やってみよう。
「位置について!」
啓が助走を付ける。
「よ~い」
クラウチング
「「ジャンプ!」」
───ジャンプである。当たり前だ、上から見ないと行けないのだから。
10メートルを軽く超え100メートル地点でもまだ加速する。
1キロ地点でも加速する、のだが・・・、
「ヴェェェェ⁉」
風圧で、顔が広がる。音速をとうに超えた速度でかっ飛んでいるのだ。そうなるのも当然だが・・・
「アハハハハハ!リ、リアル餡パン男とか、フ、フフフ、
ハハハハハハァ!最っ高だよ、ご主人!!!」
方法は不明だが、どうやら上空の啓を確認しているらしいクリュトゥスが、爆笑している。呼吸困難で地面に突っ伏しているが、地獄に落ちろという感想しか出てこない。
(あいつ、絶対後で絞める)
密かに啓は心に誓う。
──────
────
──
「ァァァァァァアアアアア!!!!────ギャア⁉」
墜ちた。落ちた。落ち着いた。啓は、未だ笑いの発作が収まらないクリュトゥスに近付き、アイアンクローを落とす。・・・乱れた裸ワイシャツに意識を向けないようにしながら。
だってぇ?そりゃそうじゃん。ほぼ裸なんだもの。たとえこいつが、俺のストライクゾーンから遠く離れた、色気ゼロの幼女であっても、今の風景見たら、ねぇ?
肌が薄く色を帯びて、心なしか瞳も潤んでるんだよ!服はだけた姿で!
・・・これを見て平静でいるのは、ロリコン云々とか関係なく難しいだろう。
いやほんと、こいつは完全に守備範囲外なんだよ?
・・・守備範囲外、のはず、なんだけど、ね。
――――えっろい
・・・もう、いっそ、コイツの存在は無視して進もう。幸い、道はわかったことだし。
活動報告にも記載しましたが、啓が[スキル:封印]に言及しないのと、
啓のキャラがブレブレなのは、バグではなく仕様です。
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