何しにきやがった、俺。
「やあ、お疲れ様。どうだった?」
散々だが、それがどうした?
「反省も後悔もしないんだね。わっちと同じで」
いや、反省も後悔もしてるんだが。お前と違って。
「ふ〜ん」
で、何しにきやがったんだ?
「いや、笑ってあげようかと」
それは何に対してか聞いてもいいか?
「おまえの学力……フフッ」
それ、ブーメランなんだが……気づいているか?
「もちろん、それをわかった上で笑っているよ」
自覚ありって、タチ悪いよな。
「ねえねえ、『言質』の読み方知ってる?」
『ことじち』だろ?
「『げんち』だよ?」
…………。
「このくらいの漢字も読めないなんて、騙したがりはわっちよりも馬鹿なんだね」
あ”?寝てばかりのお前に言われたくねぇな。
「へぇ……じゃあ『流石』って読める?」
『さすが』だろ?
「そうだね……(知らなかったなんて言えない)」
おい、聞こえているぞ?お前だって読めねぇ漢字があるじゃねぇか。
「え、なんのこと?わっち知らないな〜」
おい、とぼけるな。
「別に悪いことしてるわけじゃないじゃん」
相手のことを馬鹿って言ってる時点で馬鹿だろ。
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ〜」
それなら最初に言ってるじゃん。
「あっ」
ほらみろ、ブーメランなこと。
「ほ、ほら……挫折の名ってよく言うじゃん」
座右の銘の間違いだと思うぞ。それに、お前に座右の銘があるとはとても考えられねぇな。
「ちなみに、騙したがりは?」
『嘘は必要最低限に』だ。騙したがりと言う存在でも、相手を騙すのは少し罪悪感がある。だから、自分自身に迷惑がかからないかつ、相手にも迷惑がかからない嘘しか、最低限ついてはいけない。ま、そういうことだ。
「へ〜そうなんだ〜」
で、お前の座右の銘ってなんだ?
「そんなことより、『座左の銘』って知ってる?」
座右の銘と同じ意味のやつだろ。
「知ってるんだ」
今調べた。
「ちなみに、わっちの座右の銘は、『善悪は平等に』だよ」
なんだその物騒なものは……。
「わっちは良いことと悪いことの両方の心を持ってるんだよね。良いことをしすぎても、悪いことをしすぎても、わっちの存在は危うくなっちゃう。だから、両方の行いをすることでわっちの存在を保つ。そんな意味が込められているんだ」
まあ確かに。時々いたずらしたいって思うことがあるが、もしかしてそれが?
「たぶんわっちの影響だろうね。良いことをしすぎると、反動で悪いこともしたくなっちゃうんだと思う」
抑えることってできないのか?
「う〜ん……たぶんどこかで爆発するね。発散するなら適度にね〜。ま、調整ができなきゃわっちが出てくるけど」
参考に聞くが、お前の言う悪いことってなんだ?
「寝坊」
わお、割と平和だな。
「確かにそうだけど、寝坊は悪いことでもあるんだよ?」
生活習慣を壊すからか?
「それもあるけど、一緒に住んでる人に迷惑がかかることかな。まあ例えばだけど、一緒に住んでいる人に自分の服の洗濯を任せているとしよう。早く起きれば他のものと洗うことができるけど、寝坊してくればそれだけ洗濯が遅れるってこと。早く洗濯を済ませたいと考えている人にとっては迷惑になってるんだよ」
それが悪いことか?
「まあそんな感じかな」
ちなみに、それに壊したがりは関与してるか?
「してるわけないじゃん。生活習慣が壊れると、壊したがり自身にも影響してくるからね」
そうかい。
「じゃ、わっちはこれで〜」
はいよ。
さて、寝るか。




