何か用かよ、俺。
「遊びに来たぜ☆」
そうか、帰れ☆
「……何か酷くねーか?」
酷いと思うんなら、勉強の邪魔すんな。迷惑だ。
「いいじゃんかよ、減るもんじゃなし」
時間が今現在減っているんだが?
「それとも、俺様が今ここに来ちゃいけねーのかよ」
いけねぇよ。時間を時期を考えろ。迷惑だ。
「迷惑?俺様は全く迷惑だとは思ってねーが」
俺は思ってんだよ。それくらい分かれ。
「察してくださいと言ってんなら、俺様には察する能力は無いから無理だぞ」
それなら俺にもねぇよ。多分。
「多分て、それ同じ存在だからあるかどうか分からないって言ってんのと同じなんだが?」
むしろその通りだが、なんだ?
「うわー、その通りとか言っちゃったよコイツ。酷え」
酷くねぇよ。実際そうだろうに。
「知らんな。俺様が自分自身の察する能力のことを知っているわけねーだろ」
ごめん、知ってると思った。
「なぜそう思った?」
俺の勉強の時間を邪魔してくるあたり、よほど勉強には自信があるのだろうと。
「で、今の感想は?」
バカじゃねぇの、コイツ。
「よし、その喧嘩買った。表に出ろ」
表に出れるのは1名様のみだ。出れるもんならやってみろ。
「てへっ」
デレるんじゃねぇよ。性格を崩壊させるな。この壊したがりめ。
「実は俺様、このテストが終わったら結婚するんだ」
死亡フラグを無理やり立てるな。折る気満々だろお前。本当にやめてほしいんだが?
「だが断る」
いや断るなよ。
「断るぜ。断断断断断断断断断」
だんだんってうるせぇな。『断』って文字を俺にぶつけてくるな。『断』の字をゲシュタルト崩壊させる気か。
「おう」
否定してくれよ。肯定するなよ。この壊したがりめ。
「なあ、その『壊したがり』って名前、やめにしないか?名前が長くて面倒臭い」
おうその言葉そのまま返してやるよこのヤロウ。だったらそのなんでも壊したがる性格を直せ。
「やなこった」
だったら俺もやめないからな。実際問題、俺が『騙したがり』、分裂体が『隠したがり』、あの善悪玉菌みたいなやつが『面倒臭がり』とか呼ばれている以上、お前に名前を変更する権利はない。
「だったらアレに聞いたらどうだ?」
本体をアレ呼ばわりするなと言ったはずだが?しかも無理に決まってんだろ。
「なんでだ?」
会話が成立しない。俺の意識が保たない。年齢が離れすぎている。そもそも会えない。パソコンで文字が打てない。
「一番最後がメタメタしい」
ちょっと黙ろうか?
「じゃあ俺様が行こうか?」
だから、意識が保たねぇってば。こう、何か大事なものを忘れていくような、そんな感じがするんだよ。
「気のせいじゃね?」
実際、二週間前くらいにやってみた。
「結果は?」
さあ?
「……さあってどういうことだ?」
だから、覚えてねぇんだよ。記憶がない。存在してない。でもやったっていう記憶はあるんだ。
「……あー、つまり、アレと話すのは俺様たちには不可能だと?」
まあそういうことだな。隠したがりにも不可能だったし。というか、本体に一番近いアイツでさえ、本体と話すことができないんだから、俺らが話すことはもっと無理だと思うんだが?
「まあ、それもそうか……つまり、俺様たちには打つ術なしと?」
そ、こうやって駄弁っている方がはるかにマシってことだ。
「ふーん。まあ仕方ねーか」
ああ、仕方ねぇよな。
「じゃあ帰るわ。ちょっとやることができた」
ほぅ、なんだ?
「そこらへんに浮かんでる『ストレス』を壊してくる」
……ちなみに、どうやって壊しているか、参考までに聞いてもいいか?
「聞きたいか?本当に聞きたいのか?後悔しないか?」
……いや、やっぱりやめておく。
「そうか、賢明だな。じゃあな」
ああ。
……なんか、すげぇ気になるんだが。




