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恋時計  作者: のん
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13/20

13.病院で

「愁ッ君!?えっ何で?」

『救急車だ!早くその子を運んで!』


傍に居た人が、愁君と、私を救急車へと運んでゆく。


『おいっあそこの子もじゃないか?えぇい。一緒に連れてけ!』


海も一緒に連れてゆく。



“ウィーンウィーン”



サイレンの音がけたたましく鳴り響き。

私たちを病院へと連れてゆく。


「え。何があったんですか!?」


近くに居た若い看護婦さんに話掛ける。


「貴女、トラックに轢かれそうになったのよ?」

「でも私、何で傷が無い・・・・」

「そりゃそうよ。貴女は直で当たってないから」

「え」

「直で当たったのは貴女の彼氏さん?男の子だったわよ?」

「愁、君?」

「そぅそう。その子。貴女が轢かれそうになる時、自分から飛び出していって、貴女を倒して、身代わりになったそうよ?」

「え。」

「でもまぁ。命には別状ないから。」

「・・・・そぅですか。ありがとうございます。」

「良い、彼氏さんね?」


彼氏なんかぢゃないのに。

愁君は。

私の身勝手で傷ついた。

元彼なのに。

なのに、何で。

何で私なんかの為に・・・・。


私の腕には包帯が巻きつけられて。

しばらくは安静しているように。

そう言われた。

この傷は愁君が私を押した時についた傷だそうだ。


何で?

何で私はこんな傷だけで済んだの?

本当だったら私は、今頃生死を彷徨ってるんじゃないの?

なのに・・・・。

何で愁君が私を守るの?

何で自分の身体を犠牲にすんのよッ


「あっ真希ちゃんっ」

「お、お姉さん!!!」


そこには愁君のお姉さんの姿があった。


「何があったの!?」

「愁君がッ私がトラックに轢かれそうになるのをかばって、自分が・・・・・・」

「真希ちゃんっ落ち着いて?大丈夫?」

「彼はッ私なんかをかばって、トラックに轢かれたんですッ」

「・・・・愁、が。」

「私のせいです。ごめんなさいーーーーー。」

「ーーーーーーーーーーーい。」

「え」

「真希ちゃんはっ、悪くない。

 誰も。悪くなんかない。私ちょっと愁んとこ行ってくるわ。」

「ハイ。」


前にも言われた。

“真希ちゃんは悪くない”


私。

どんだけ人傷つけて、気遣うわせたら気が済むんだよ・・・・。

本当。

サイテーだな。


でも。

一番サイテーなのは。

こんな時にも。

落ち込む自分。


今は。

愁君の所に行かなきゃいけないんじゃないの?


だから病院だけど。

お構いなしに走って。

そしたら涙零れ落ちて。


もぅダサイなんて考える余裕なくって。

呼吸だって乱れてく。


ーガララララララー


「ッ、愁君ッ!!!」


病室に入ると愁君がベッドで寝てて。

周りにいた人たちが一斉にこちらを向いた。


「あのッ愁君は。」

「今、落ち着いてる。」

「そうですかッ。良かった。」


お姉さんが安心したように私に言った。


「ありがとうね?真希ちゃん。」

「え」

「こんなにも、愁の事心配してくれて。」

「ーーーーーーーーーーです。」

「え?」

「もぅ私、嫌なんです。私なんかの為に、誰かが犠牲になんの。嫌なんです。」

「それは。世界中、皆そうなんじゃないかな。」

「え」

「生きてるから、悩んだり。苦しんだり。でもね?それは全部。生きてるからなんだよ?真希ちゃんは、立派に生きてる!とことん、悩みなさい。答、出す必要ないんだよ?出す必要ないって事は、もうすでに出てるかもしれないって事だから。」

「・・・・・・・お姉さん。」

「真希ちゃん。愁と別れたんだってね?」


お姉さん。

知ってたんだ。

知ってたのに、私にこんなに。

何でこんなに優しくしてくれるの?


「・・・・ハイ。」

「別に怒らないよ?ただ、私も恋多き女だから、相談してほしーなーって。」

「え・・・・?」

「まー嫌だったらいーのよ?」

「いえ。ありがとうございます。」


お姉さんは優しくって。

とっても美人で。

こんな女の人だから。

人が惹きつけられてるんだ。


*   *   *

次回:私の中で、愁君の存在はドンドン大きくなってゆく。

   そんな中、また彼女が・・・・・・。

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