11.甘い涙
何か、恋時計長く続きそーです。
でわ、どぞ。
「璃嘉ぁ~!!!この前はごめーん。あの馬鹿のせいでッ!!!」
「仲良すぎだっつーのっ嫉妬しちゃうー」
「っくぅ。嬉しい」
「てへへ~冗談だけどねぇ~」
「ッ冗談かいっ」
「そーだッ真希、今日ヒマ?」
「ヒマだけど。どーした?」
「駅前に新しい喫茶できたぢゃん?今日行かない?」
「行こッ行こッ」
「っしゃ決まり!じゃー。ダブルデートっつー事で」
「は?ダブルデート?彼氏出来たん!?」
「もぅさ。愁君は夢のまた夢って、実感した訳ですよ。
そんな頃。幼馴染の圭が私を支えるってくれて。まぁ。高校生だしね~」
「そっか。」
璃嘉の瞳が一瞬だけど曇った。
私。璃嘉の気持ちよく分かんよ。
好きな人に辿りつけないけど。
支えてくれる、自分を大切に想ってくれてる人が現れた。
それだけで報われた気になんじゃん?
その人に、自分の想い托してみよう。
そう、想んじゃん?
でも、比べちゃんだよね。
好きな人と、今カレと。
私は。
少なくとも私はそぅだった。
愁君と海を比べてたんかもしれない。
どっちも大好きだって。
分かってたけど。
でも、アイツだったらーーーー。
とか。
彼だったらーーーー。
とかさ?
間違ってる訳じゃないよ?
ただ。
自分の気持ち分かんなくなんよ?
私は好きな人選んだけど。
璃嘉は彼を選んだんだよね?
その決断は。
辛かったでしょう。
苦しかったでしょう。
いくら涙が零れ落ちたって。
拭ききれなかったことでしょう。
貴女は今こうして笑ってるけど。
その笑顔の裏にはどんな涙があった?
私はね?
涙を流した事。
何回もあんよ?
今。アンタを抱きしめて、慰めることだって。
出来るけど。
それじゃぁアンタの為になんないんじゃん?
アンタが必死になって出した結論を哀れみたくなんかない。
笑顔で、祝ってあげたい。
だってアンタは。
私にとって。大切な大切な。
どんな物でも変えがたい、親友なんだから。
「おめでとう。璃嘉。」
「・・・・・・うんっ。ありがと。」
海は私の彼氏ぢゃないけど。
ぢゃぁ誰とデートするんだ!?って話だから。
ダブルデート?に誘う。
携帯の画面にアイツの名前が映って。
思わず噴出す。
だって其処には。
2年前。
私たちが別れる直前に撮った写真があったから。
すっかり忘れてた。
懐かしぃな。
写真の中のアイツは今では想像出来ないぐらい明るい笑顔で。
そんな私も想像出来ないぐらい、幸せそうな顔してる。
懐かしいな。
そぃえばあの時。
何か約束したんだっけ。
ーーーー思い出した。
“aid your happy love”
『お互いの幸せな恋を応援しましょう』
私あん時、意味知らずに言ってたけど。
こんな意味あったんだ。
アイツ、知ってたんだね。
意味。
じゃぁアイツは。
私の恋、本気で応援してくれてたんだ・・・・。
私は、アイツを応援出来てたかな。
うん。
出来てたよね?
きっと。
♪~♪~♪~♪~♪
『もしもし。』
『もしもし。真希?』
『あのさ。今から璃嘉とその彼氏とお茶しに行くんだけど、来ない?』
『ほー。彼氏いないから。俺誘うって訳~』
『ちっ違うし。』
『図星かよッ。まーこの前の礼もあるし。行くけど。』
『じゃー。4時にこの前できた駅前のカフェ来て?』
『りょーかい。んじゃ。』
『aid your dreem』
『あ゛?』
『ッ何でもない。んじゃね。』
貴方の夢を応援します。
海の夢。
つまり、海の記憶が戻る事。
それぞれの幸せへ。
次回:何時までたっても現れないアイツに、不安が過ぎる。
その不安は現実となりーーーーーーー。